鬼滅の刃が昨年、大ヒットしました。
あの巻数であそこまで急激に伸びる。
衝撃でしたね。
私の周りでも読んでる人が沢山いたし、私に薦めてくる人もけっこういました。
その話題を昔お世話になった先生、数年前までは大学教授、友人の祖父なんですが挨拶に伺って世間話で出した際に仰られたのは「自分で作品を選べない、読む価値のある名作と他を見極める審眼をもつ人が減ってしまった」と。
あ、私は鬼滅の刃は普通に面白かった派ですし、アニメのクオリティも、曲も制作者様様です。
ただ、超大作か、歴史に名を残す、様々な意味で100年先に残る芸術か?と言われると甚だ疑問です。
あれほど多数の人が、これだけ多数のコンテンツがある中、同じ方向を向く、というのは作品どうこうではなく、個の喪失、人が単純になった、シンプルになった、バカになったのかなと思います。
ある意味では個の喪失は人類の次のステージとも言えそうですが。それは置いておいて。
鬼滅の刃の漫画はシナリオも、作画も、台詞ひとつひとつも、稀代の…という水準どころか、上位にも入らないと思います。
売れっ子漫画家の代表格は最近だと尾田や岸本だと思います。彼らは漫画を書くのが非常に上手です。構図や背景、背景を週刊で信じられないクオリティで仕上げてきます。
スラムダンクの井上なんかも、ですね。
彼らのレベルではない。
シナリオも、言葉ひとつひとつの扱いも、設定も、世界観も、真新しさはない。
もちろん売れてる作品にそんなものは山ほどあるのだが、あまりにも、皆が皆…といった具合で不気味だった。
鬼滅の刃が面白い、面白くないという話ではなく。話題に上がれば読まれ、売れるのは何故か?
誰もが話題に上がった作品を読むから、しか読まないから。
つまり自分で見極められず、出版社のマーケティング戦略、そして運に恵まれた作品しか手を出さない人ばかりになってしまった。
世間の名作が必ずしも、個人の名作ではなく、一人ひとりに名も知れぬ名著が世の中には少なからずある。
私はそう思う。
私が大絶賛して、いかに良いか説いても周りからは評価されない作品は確かにある。
そういったものを探そうともしない、誰かが保証してくれないと判断できない人が増えた。
もちろん皆んなで一緒に楽しむのが悪いわけではないのだが。
