身近な人を亡くすということは、心に大けがをするということ
身体的なけがであれば、誰が見ても分かります。「わたしはケガをしている。傷が痛い。」「あの人はケガをしている。気の毒だ。」
しかし、心のけがは、それがどんなに深いものであっても、外から分かりにくいものです。そのため、人の言葉に(ふだんだったら何とも思わないような言葉に)傷ついてしまうことがあります。それがたとえ厚意からの慰めの言葉であったとしても傷ついてしまうことがあります。
ですから、まず「自分は心に大けがをした」と自覚しておくことが大切です。
無理をしないこと
大きなケガをしているわけですから、無理は禁物です。喪に服すということは、社会的な義務から解放されて心を休める、ということでもあります。他人に任せられることは他人に任せる、助けを借りるなどして、無理がたまらないようにすることが第一です。
特別な心理状態にあることを知る事
突然、涙が出てくる。簡単なことが決断できない。自分を責めてしまう。他人を責めてしまう。感情の起伏が激しくなる。将来が不安で、恐怖に押しつぶされそうだ。もう生きていてもしょうがないと思う。自分はひとりぼっちだと感じる。不眠。食欲がない。
ふだんとは違う、これらの状態が起こってくるかもしれません。しかし、これらはあなただけに起こるものではありません。程度の差こそあれ、大切な人との別れによって、誰しもが体験する事でしょう。今は、そうしたことが起こってくる時なのです。
ですから、身近な人が亡くなったとき、これらのことが起こるのはあたりまえなんだ、と知りましょう。そしてこれらの状態を自ら非難したりせずに、受け入れ、大事に見守りましょう。
人に甘えましょう
誰かにあなたの気持ちを聴いてもらうことが、助けになるかもしれません。「少しの間、自分の話を聴いて欲しい」「ただ聴いてくれるだけでいいから」と話しかけてみましょう。
「黙って、しばらくの間一緒にいて欲しい」「ちょっと手をかしてほしい」とお願いしてみましょう。
「自分にはあまり構わず、しばらくそっとしておいて欲しい」と率直に訴えてもいいでしょう。
人に甘えさせてもらいましょう。甘えられる側も「頼りにしてもらえた」と嬉しい気持ちになってくれることもあるのです。
身近に適当な人がいなければ、このご縁を機に、私に連絡してください。お茶を飲みながら、ゆっくりと、時を過ごしましょう。
希望を持つ事
大けがをした傷跡は、完全に消えることはないかもしれません。しかし、その痛みは時とともに確実に弱まります。今の悲しみが深いほど、その後の人生は豊かになると、信じてください。
いつまでもこのままでいつづけることはできません。
必ず、人は、この暗闇から抜け出せます。
…この悲しみを杖に一歩、そして、また一歩。
配偶者の死とは、あなたの現在を失うこと
子どもの死とは、 あなたの未来を失うこと
友人の死とは、 あなたの人生の一部を失うこと
『愛する人を亡くした時』 グロールマン

