ムスタングのことを調べていると、どうもこれ、一筋縄ではいかんというか、クセがすごいわ、というギターであるという。
まず誰しも言うのが、特有のトレモロ構造によるチューニングの不安定さ。
ペグをロック式にしたり、ナットの滑りをよくしたり、トレモロブリッジを入念にセッティングする必要があったりで、これはめんどくさがりの自分にはハードルが高そうだと。
歌いながら弾くのに、そこまで考えてられない。
ていうか、charってやっぱすげえ!と。
そしてネックがすごく短い。
ミディアムスケールと思ってたらそれよりもひとつ短いらしい。
これはまぁ、自分に合うかどうかは弾いてみないとわからないけど。
基本的に日本でムスタングがある程度の人気を誇る理由として、体が小さめの日本人にとって、その短いネックがフィットするからというのが大きな理由のようである。
あとはcharさん人気。
そのcharさん(あ、私はダウンタウンの浜ちゃんが加藤茶を「チャーさん」と呼ぶイントネーションで「charさん」と呼ぶのですが)も、ムスタングの小ささが妙にフィットして気に入ったのだと言っていたし、ムスタングじゃないと思いつかなかったフレーズもあったとか。
しかし私は手がデカいので、ムスタングのスケールだと逆に弾きづらいかも知れないなぁ。
とかとか考えていると、同じくフェンダー社のギターで、ムスタングの系列に並ぶサイクロンが気になったりしている。
で、squierのサイトを見たりYouTubeあさったりしてるんです。
ブランドにはこだわりがないというか、そもそもFENDERなんか買えるつもりはしていない。
そんなもん、ジャパンでも6~7万するのはわかっている。
そこまで出して新たにギターを買うつもりはないし、またわざわざそこまで出してフェンダージャパンの新品を買う理由も見つからない。
私の作る音楽には、別にそんな大したギターは必要ではないし、そもそもギターの良し悪しが値段で計れないことは知っている。
今さらロマンもクソもない。
実用品が欲しいのである。
とはいえ、squierは一応フェンダーのライセンスだし・・・というところで、中途半端なブランド志向のようなものも感じてしまうが、一応やっぱ、これはムスタング!とか、これはサイクロン!とか、名乗れる物なら嬉しいじゃないっすか!
どう言い訳しようが中途半端は中途半端なわけであるけど、やっぱヘッドデザインとかね、重要ですよ。
ギターは見た目が8割ですからね。
そんなわけで、サイクロン。
ストラト同様のシクロナイズドトレモロブリッジや、ギブソンサイズ(?)のミディアムスケールネックなど、私にとって違和感なく使うための仕様が整っている。
懸念と言えば、フロントがシングル、リアがハムバッカー、ということで、私が今回何より求める、薄っぺらい音が出るのかどうかというところ。
しっかり鳴るギターはいらないのである。
そういうのは、今持ってるギターで何とかなるのである。
基本的にはリアでバッキング、というのが私の弾き方だけど、そこにハムである。
いくらムスタングサイズの小さいボディーに乗ってるとはいえ、ハムはハムである。
どんなにこのハムは軽いとか言ったって、それはハム。
それは既にSGで学んでいる。
SGはすごく好きなんだけど、やはり音に厚みがある。
あれで?と言われるレスポールやPRSユーザー様もいらっしゃるかもしれないが、ちょっと価値観違いすぎますのでここはお口にチャックな。
だって私には、よく鳴るテレキャスですら重いと感じられるんですから。
要は、フロントのシングルでどれくらいチャキチャキ感が出るかという部分に、サイクロンと私の相性が問われる。
しかし、もしもフロントのシングルでチャキッとしたカッティングが出来るなら、重めのバッキングはハムで出来るのだし、このサイクロンというギター、ひょっとして恐るべきコードバッキングマシーンなのではないかという、誇大妄想による異常なポジティビティーが私の頭を支配しつつある。
落ち着け。
もういいから楽器屋に行って試奏しろ。
そう、膨らみ続けるこの妄想と、妙な期待感に終止符を打つためには、実際に弾くしかないのである。
願わくば、裏切ってくれ、サイクロン。(川柳)
そんな都合のいいギターなどないほうが、余計なお金を使わなくて済むのだ。
それは家内安全。
素晴らしいことだ。
膨らんだ妄想の産物、耳元でささやく私の中の悪魔は、ついにこんなことを言い出した。
「うーん、だってさ、スチューデントモデルなんだから、要らなくなったら子供に譲ればいいじゃん」
わー!悪魔!
そんなこと言われたら買っちゃうだろ!!(自演)