昼寝の最中に人の気配がした。
のっそり起きて工場の入り口に目をやると、確かにそこに誰か居る。
しかし9月だというのにいまだ照りつける強い日差しが生み出す逆光と、折からの睡眠不足による寝ぼけ眼では、その影が誰だかわからない。
影は親しげな素振りで片手を軽くあげる。
「よう!」
ようやく影の正体が分かった。
この声はDSKだ。
突然のことと、相変わらずの寝ぼけた頭で言葉が出ない私をよそに、DSKは話す。
「ちょっとチャリで来てみようと思って」
そう言いながら、鞄からコーラと氷を取り出し、私の側に置いた。
私はまだ状況が飲みこめないまま、呆然としている。
「じゃっ、帰るわ」
「ん…あ、え?」
結局何も言えぬまま、DSKは帰ってしまった。
いや、コーラと氷の礼くらいは言っただろうか。
私は再び、睡魔に誘われるように眠りに落ちた。
決まった時間に起き出し、さっきの一部始終は果たして現実だったのか?という疑問がよぎった。
水を飲もうと冷蔵庫を覗くと、そこにはコーラと氷があった。
ああ、あれは現実であったのだ。
今、氷のカップにコーラを注ぎながら、私はDSKという人の不思議さに思いを巡らせるのであった。
何やってんのDSK。
そんでもって、ありがとう。
