私の名前はウタキャスター、42歳である。


今日は私という人間の暮らしについて、少し書こうと思う。




丁度10年前に再始動したバンド「キャップライス」は、未だに地味に活動している。


40を過ぎていまだにアマチュアバンドを続けられていることに驚きを隠せないが、それよりも私以外のメンバーがみな童顔でいまだ老けず、私一人がフロントマンであるにもかかわらず老いさらばえていく様に、自分で驚きを隠せない。


ただ、ウエノは10年前に20kg増えた体重を、更に積み重ねている。




バンドのほうは一向に売れる気配は無いが、私の音楽活動には若干の変化があった。


7年前、ほんの悪ふざけで始めたひとりプロジェクトによる活動が、何故かうけてしまった。


たった1曲ではあるが、オアシスのモーニンググローリーを拡大解釈した日本語カバー曲「朝勃ち」が200万枚を越えるヒット。


あのときは、それなりにチヤホヤされたし、ある意味では嬉しかった反面、「こんなものが売れるなんて・・・」と日本の音楽業界を嘆いたものだ。


幸い、顔出しNGという設定と、この1曲のみでメジャー業界から去ったことで、今も平穏な暮らしは続けられている。


そのときの印税で、調子こいて設立した保育所は、嫁さんが今も熱意を持って大切に経営している。


未認可ながら、それでも保護者の方からは好評を得ているようだ。


嫁さんは園長先生として、そして私はオッサン園長として、子供たちからは慕われている。


ただ、事情をよく知る保護者や近所の住民からは、「朝勃ち保育所」「朝勃ち園長」などと呼ばれているらしいが、定かではない。




私の仕事はこの保育所の事務の手伝いなのだが、実際はほぼ専業主夫・・・まぁニートだ。


音楽活動も、仕事のほうも、さっぱりうまくいっていないが、ご奉仕の監督業では、自信をもてるほどの結果を残している。


私の子供たちはすでに小学校を卒業しており、もうご奉仕に携わる必要はないのであるが、今現在、私を必要としてくれる場所は、そこにしかないのである。


しかしまぁ、そう思っているのは実は私だけで、町会の人たちからすれば、「あいつを煽ててやらせてりゃ、めんどくさい仕事が減る」くらいのものかも知れない。


かも知れないが、それでも指導に打ち込んでいるときは、全てを忘れて集中できるので、楽しい時間である。


悲しいのは、チームを巣立った選手たちが、中学、高校と進んでいくにつれ、私が仕事もせずにブラブラしているオッサンであることに気づいてしまうことである。


近所を歩いていてすれ違ったときなどに、挨拶を交わしたあと、クスクスと笑われている気がするのだ。




まぁそんなことにも慣れてきたというのが正直なところだ。


私は今後も、町会に骨をうずめる覚悟で、ご奉仕のスポーツ関係の指導関係にあたっていこうと思っている。


今年もまた新チームが始動する。


当面の目標は、校区内弁慶の汚名を返上することだ。


対外試合に勝とう。




春の雨が、私の気持ちを急かす。


早く洗濯物取り込まないと。