これは、過去の話になります。
記憶をたどりながら書いているので時間軸が前後することがあります。
義父は肩書が大好きな人でした。
例えば、Aさんの話をするとします。
普通は、〇〇さんのご主人のAさんがね……っと話の主題にはいりますが、義父は.
〇〇大学で△△を研究されて卒業して❌❌商社に勤めていて、センター長をされているAさんがね……
となります。
漫画みたいですが、本当の話です。
良い大学、一流商社、エリートが大好きです。
申し訳ないですが、私は大企業には勤めていましたが、3流短大卒です。
義父はきっと私のことを誰かに話すときは、〇〇商社で海外の仕事をしている……とつけたでしょう。
哲平が小さい頃から
哲平くんの大学の入学金と授業料はじいちゃんが出してやるからな……
が口癖でした。
将来大学行くかどうかもわかんないのに……。
哲平くんの将来は何になったっていいんだぞ!
弁護士でも、医者でも、パイロットでも!
なんだその選択肢……。
私は反撃で言いました。
うん。なんの職業でも良いんだよ。
〇〇でも、△△でも、❌❌でも……
義父は露骨に曇った顔をします。
職業を差別するな!男たるもの働いて家族を養っていく事ができれば最高だ!!
実家がお商売をしてたので、義父のこの感覚は理解できませんでした。
あなたの夢見る将来に縛られるのは夫だけで充分!
息子に絶対職業選択の自由を!!
固い決意でいました。
今思えば、お金のことは哲平名義の通帳作ってそこに入れといて貰えばよかったと思います。
哲平は本人の希望で大学院まで出ましたが、義父から1円ももらっていません。
なぜなら、その頃義父はもう認知症でしたから。
たまにふざけて、
じいちゃん、哲平の大学の学費払ってくれるって言ってたんですけど……というと。
え?僕はお金のことはさっぱりわかりません。
念のため言っておきますが、義父の願いは届かず、哲平は、弁護士でも医者でもパイロットでもありません。