実家の母は、すでに亡くなって父には後妻が来ていた。

この後妻が、私が人生で出会った理解不能な人トップ3のトップに入る人で、のちの人生で大どんでん返しがあって今は縁が切れてるのだけど。

まぁ、その話はオマケでおいおい差し込んでいきますが……。

瞬間湯沸かし器のように切れる人だったので、

義母とはもめることなく、仲良くやっていきたいと本気で思っていた。

だから、気を遣ってたしうまく届かなくて不満げにされると価値観の違いに戸惑うことが多かった。


結婚式前日、朝から明日の準備やら買い物やら式場への届け物やら。

では明日……と夫と別れた時にはもう日が暮れかかっていた。


実家は父と後妻と弟。

母が生きていた時ほどの感傷に浸ることはなかったけど、まぁ、父にとっては娘を嫁に出す前の夜。


夕飯を終えてホッとしていると、夫から電話がかかってきた。


今からこれる??

親戚が集まってるから挨拶できたらっていうんだよ……。


今の夫なら義母の提案は絶対断ってる。

この頃はまだ洗脳されてたから、義母の言うことは受け入れてたし、反論しない。

そして、私も義母の意思には従わなきゃって思ってた。

お互いの家は自転車で行ける距離。


父にその話をした。

親戚が集まってるから挨拶に来いって。


なんで明日会うのに、今日行かなきゃならないんだ!

父は機嫌が悪くなった。


と、とりあえず行ってくる。


遅くならずに帰りなさい。


義実家に行くと、田舎から出てきた親戚が大勢義実家に宿泊していた。

そんな大きな家じゃないのに。



明日はお嫁さんの格好だからどんな人かわからないでしょ?

親戚と個別で挨拶できるチャンスはないからね。

きてもらったのよ。

挨拶して!



それから何人もいる親戚ひとりひとりと挨拶をした。



今、もし私に明日嫁がせる娘がいたら、

いや、息子のお嫁ちゃんになる人を想像しても

結婚前夜に呼び出すなんてありえない!!

自分のことしか考えてない。

娘を嫁に出す親の気持ちも考えが及ばない。

自己中な義母。全てのことがこんな感じ。

それを抑えられない力無い若き夫。

情けない……。