彼の家

ずっと前から知っていた彼の家
毎日通り過ぎながら横目で流していた
ある日足が止まる
目の前の扉をノックした
無音がどれくらい流れていただろう
開かれた扉
僕の家に何か と
大きく真っ赤な瞳の彼が現れた

心臓が荒れる
今ならまだ逃げられる?
何も動かせない
静かに大きく真っ赤な瞳が見透かしていた

君を招待した覚えはないのだけれど
招待状は・・・・・・・・・
無いなら帰った方がいい
大きく真っ赤な瞳を見つめ返した

そう それでも入りたいのなら
お招きするよ
但し 何があっても僕は知らない
どうぞお入りください
招かれざるお客様
彼は扉の横に立つ
心臓が荒れる 足は中へと進む
後ろで扉が閉まり鍵を掛ける音がした

扉と彼は消え
見慣れた景色の真ん中に1人立っていた
信号は青だった