おれはタイガースが好きなのか?
きのうは台風9号のため、神宮とハマスタの試合が中止となり、しょうがないからスカイマークの阪神ー中日戦を見るともなく見ていた。首位攻防の決戦なのに「しょうがないから」とは、失礼しました。
試合はドラゴンズの一方的な勝利へと展開したのだが、ぼくは「タイガースがんばれ」と思って見ている自分に気づき、自分でびっくりした。
ぼくの頭のなかでは12球団に好きな順位がついており、ドラゴンズは8位、タイガースは10位のつもりだった(ちなみに9位はホークス)。なのに、番狂わせが自分のなかで起こっている。
なぜだろうと思うに、いま死にかけている寅吉叔母さんのことがあるかもしれない。叔母は認知症がひどくてぼくの顔を見ても反応しない。だから「今年の阪神は…」なんて話はもうできない。
03年の優勝のときは「星野くんはえらい」などと喜んでいたが、05年の優勝のときはぜんぜん興味を失っていた。「あ、そうなの」とゆう感じだった。
彼女はぼくを非常にかわいがってくれた。彼女は結婚しなかったのと、ぼくが野球好きの子だったからだろう。ぼくにグラブをプレゼントしてくれ、ぼくが生まれて初めてキャッチボールした相手は父ではなくて、この叔母だった。出版社の社員だった関係で毎月「野球少年」とゆう雑誌を送ってもくれた。
85年にタイガースが日本一になったときは「よっちゃんとメシを食いにいくが、ゆうちゃんも来るかい?」とゆうから、「いま忙しいし、ぼくはスワローズファンだから」と断った。「よっちゃん」とは吉田義男監督のことなのである。「ゆうちゃん」がぼくである。
そんな寅吉叔母さんが死にかけているので、今年は優勝してほしい、とゆう気持ちが意識の底にあるのかもしれない。
だからといって明日からの阪神ーヤクルト3連戦を、ツバメが3つとってほしい気持ちはぜんぜん揺るがない。
それからタイガースといえば、上本博紀(うえもとひろき)が出てきたのがうれしい。背番号は二塁手こだわりの4だ。広陵高時代から注目されていた。早稲田では1年のときからレギュラー二塁手。ちょうどスワのヒロヤスと入れ替わりだった。早稲田はいい二塁手が育つ。鳥谷より5年下だが、上本、鳥谷の二遊間のWコンビはなかなかの見もの、である。かならず「1番セカンド上本」の時代が来る。
さあ、神宮へ行こう!
シャワーして身体を清めて、出発しよう。今夜、負けると勝つとでは大違いだ。向こうはマエケンだろう。彼をKOできれば万々歳だ。こっちはエースの石川マサだ。立ち上がりさえ気をつければ接戦でも打撃戦でも決して負けはしない。カープもがっちり挑んでくるだろうが、CSのかかっているスワローズは浮き足だたなければ、勢いをつけられる。そしてトラ退治に向かえる。
途中の電車では歌野晶午の『葉桜の季節に君を想うということ』(文春文庫 ¥700)を読もう。
人にすすめた本だから、読まないといけない。とても評価の高いミステリ小説だ。たしかに読み始めると、他のミステリ作家のような文章の硬さ、まわりくどさがなくて、モーツアルトを聴いているような、ここちよさがあり、ユーモアもあり、おもしろくてやめられなくなりそう。