セントルイス・カージナルスがワールドシリーズを制覇。田口壮、いぶし銀のすばらしい働き!
田口は02年にメジャーに行ってから、ずっと苦労してきた。でも、37歳の今年、ようやく野球選手としての何かをつかみとったようだ。それはÅ級の選手でなくても、一所懸命プレーすれば、メジャーの試合で働ける場所は必ずあるというB級選手としての自覚ということだろう。これは意外と難しいことなのだと思う。プロ野球の選手はみな、野球を始めたガキのころから「おまえはすごい。将来の可能性は無限だ」と周囲から絶賛されつづけてきたのだ。自分でもその気になってプロに入る。たまたま田口のようにオリックスでイチローのような超A級の選手と同僚として出会い、共に研鑽し「イチローに負けるものか」とがんばる。メジャーに行く。その頑張り方に問題があったと気づいたのが今年だ。イチローと俺とは違うんだ。俺は俺に合った野球をしなくてはならないと。
ポストシーズンゲームでの田口の働きぶりはすごいものがあった。フル出場はできないが、与えられた機会にしぶすぎるほどのよい働きをなしえた。きっと、奥さんとの日々の対話がこうした変化を生み出していったのだと思う。素敵な奥さんだ。夫の現実を見ないで「もっと稼いで、もっと打って」と舞い上がる奥さんが多いなかで。
これは野球以外のどんな仕事についても言えることだ。ぼくなどもA級のプライドと、B級の自覚のあいだでいつもゆれてきた。
今は、SHINJOの影響もあって、B級を楽しんじゃうと、A級よりお客様に喜ばれるということを身にしみてわかってきた。
世界一への貢献に大感激の涙を流しながら、2歳の愛息・寛くんを抱き上げる田口壮選手。
