私の自己紹介などにも書いてありますが、文章を書く人の中には校正、という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。

しかし、校正ということ、校正者と言う方々について正確に理解している方は少ないと思ったので、今回この場で、校正について説明してみようと思います。


校正者も本や出版に関わる、いわゆる裏方の1人です。出版や印刷物に関わるというと、編集者や校閲などの仕事は見聞きしたことがあり、なんとなく、仕事を想像できる方も居らっしゃるでしょう。最近は漫画などでも取り上げられて居ますね。
しかし、それと校正は何が違うのでしょうか。

まずは編集、校閲、校正、それぞれの仕事について、出来るだけ簡単に言いますと、

編集は原稿を出版できる形にする仕事。

校閲は原稿の間違いを正す仕事。

校正は原稿と印刷される文を比べて正す仕事。

このように説明できるでしょう。校正の仕事だけ少しわかりにくいかも知れませんが、後でキチンと説明します。
そして、見てわかるかも知れませんが、それぞれの仕事は、重複する部分があります。

編集が、著者さんが書いた原稿を、出版できる形にするとき、もちろん変換ミスや打ち間違い、日本語の誤用などに気づけば、著者さんと相談して直していきます。
校正、校閲の仕事は、原稿を出版できる形にする仕事の一部でもあります。

それではなぜ、仕事が分かれているのでしょうか。1人でやればいいじゃないか、と思う方もいるかも知れません。

しかし、1人の目(著者さんも含めれば2人ですが)では通り抜けてしまうミスがどうしても無くなりません。
それに、編集は原稿を出版できる形に整える仕事がメインなので、どうしてもミスを見つける作業まで手が回らなくなってしまいます。

ここで登場するのが校正、校閲なのです。彼ら彼女らは、時に原稿の一字一字を丁寧に追い、時に一つの単語に対する疑問をいくつもの辞書を使いこなして解決していきます。
決して大衆の目には晒されず、出版された本にミスが見つかったときだけ、思い出されて非難を浴びる。
そんな彼ら彼女らが、出版界を支えているのです。


しかし、校正と校閲の違いがイマイチわからないですね。
それを説明するために、まずは校正者は具体的にどんな仕事をしているのかを話していこうと思います。
色々と例外はありますが、ここでは定型的なことを説明します。

校正者の仕事は段階的に、初校、再校、三校、四校…となっていきますが、まずはその初校について解説します。

著者さんが書き、編集者さんが原稿をコピーして赤を手書きで書き入れ、それを元にオペレーターがパソコンに入力し、とりあえず印刷できる形になったものを印刷します。これを初校刷、初校ゲラ、(以外ゲラ)などと呼びます。
これと、編集者さんが赤を入れた段階のもの(以下原稿)を横に並べます。
ここで、著者さんが手書きか、パソコンを使っているかで作業が分かれます。

もし、手書きならばゲラと原稿を一文字一文字突き合わせていく作業になります。何文字かまとめて、ではなく、一文字一文字です。

例えば壁と璧、ー(音引、いわゆるのばす音を表す)と一(イチ)と──(ダッシュ)など、まとめて見れば見過ごしてしまう文字、これを見落とさないためにも、一文字一文字、丁寧に見ます。

この作業では、パソコンにオペレーターが入力する段階でミスが起きていないかを文字単位でチェックすることが目的なので、内容的な、いわゆる誤字脱字誤用などは一旦横に置いておきます。
ここでは主に赤ペンでミスを訂正していきます。

突き合わせが終われば、内容的なものをチェックするために素読み、という作業に入ります。
これは、ゲラだけを読み、突き合わせで見逃したミスや、そもそも原稿段階で誤字脱字誤用文法ミスなどが起こっていないかを、通して読みながらチェックする作業です。ここでは、基本的に、明らかに間違っている箇所も、鉛筆で指摘していくことになります。
何度も仕事をしている編集者さんとの間で、例えば、りコーダー(リコーダー)、のように明らかな間違いなら赤字で直していいよ、という約束をする場合もあります。



ここで続きまして、著者さんがパソコンで書く方だった場合を説明します。
この場合は、オペレーターさんの手が入るのは編集者が直しを指定した箇所がメインになります。
ですのでまずは、一字一字を突き合わせるのではなく、編集者の入れた赤字のとおりになっているか、直す段階で前後に新たなミスが起こっていないか、前後の似たような表記の箇所を間違って修正していないか、などを主に見ていく作業を行います。
ここは赤字で訂正を書き入れていきます。

その後に内容チェックの素読み作業をするのは、手書きの場合と同じです。もちろん鉛筆です。


ここまで終われば、編集者さんに返すことになります。
どちらも、特に手書きの場合かなり大変です。赤字はほぼそのまま修正されますが、必死に見つけて指摘しても、鉛筆で書いたところは修正されないことも多いようです。



さてさて、皆さんお疲れ様でした。ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
ここからも長くなってしまうので、続きは明日、投稿させていただきます。質問や、間違いの指摘など喜んで受けさせていただきます。

明日は出来れば小説紹介もしたいところですね。それでは一旦失礼いたします。