夢の布陣 | チーズケーキのcrazy Arashians story

「ひゃー、さっぶいね。今日も。」


手を擦り合わせながら、少し紅く染まる鼻先と頬を気にしている

外は、雪...

何も手を加えてない洗いざらしのサラサラとした髪からはとびきりの笑顔が見え隠れした

「おはようございます。
 寒い風入っちゃうから早く閉めて早く!」
「おはよう!」
「おはよー」

「おはよ」
新聞から顔をあげ、いま初めて気付きました
な、フリをして
そんなメンバーの他愛のない様子を見てると
不思議と心が安らぐ自分がいた



一緒にいられる日をめいっぱい楽しめるよう
残された時間を後悔しないよう
ファンの為に出来ることは片っ端からやる、と俺達は決めていた

嫌でも刻まれるカウントダウン
なんとも言えない例えようのない気持ち
それもひっくるめて受け止めてほしい、
なんて言ったらワガママなのかな...


「しょうちゃん、聞いてる?
 もう一回合わせてもらってもいい?」
ごめんごめん、と手を合わせる
こんな時期でも汗を滲ませながら
何度となく歌ってきた曲だけど、完璧なもの
を届けたい一心でリハを重ねた


約束されてない未来
不透明なその、先の先

だけど
走り抜けると決めた、何があっても
こみ上げる想いを抱えながら
大事にしてきた歌番組の収録を終えた



冬用の少し分厚いサンダルに履き替えながら
「...やりましたね、翔さん」
ニノがシャツのボタンに手をかけた

「えっ、どういう...意」
「分かってるクセに」

言葉を被せるようにして顎でくいっと
雅紀の方向を指した

どうやら俺は無意識に、そう無意識に
【君】の手を引いていたらしい
離れ離れになるわけじゃないのに、ね

「そんなにどっかいきそうだった?」
君は目尻にシワを寄せて
照れ笑い半分、涙目半分で

後で気づいたけど、みんながみんな
なぜだか笑いながら溢れそうになる涙を
ずっと、こらえていた



ファンが大切、これは一番だけど
俺達この5人での空間は誰にも入り込めない
そんな大切な、宝箱みたいな存在で



それだけは、譲れないんだ
どうしても




「年末ライブ終わったら、どうします...?」
一瞬、しんとした空気
口火を切ったのは意外とニノだった

「行くっきゃないでしょ、飲みに!」
「全然ずっと一緒にいるじゃん」
「誰の家貸してくれんの?」
「オレ絶対ヤなんだけどー」
「なんでよバカデカいTVもちょうどあるし」

いつも通りな俺らなわけで

忙しかった2020年が終わりを迎えようとしてるけど、別にグループが終わるワケじゃない


...そう
俺達は諦めが悪いんだ
やりたいこと、やりたかったことは
次の機会に置いといたっていい
だから



「よし、いきますか!」






リーダーの声を合図に
ライブの幕が、華々しく上がった





2020.12.31






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皆さま、ご無沙汰しまくっております...。
お元気でしょうか。

ついについに、迎えてしまいましたね。
2年ってこんなに短かったんだって思い知らされる期間で。
その間に、ファンが情報過多で溺れちゃいそうになるほどに色んな楽曲やコンテンツを届けてくれた。中には息切れしちゃった方もいるのかな...?
必死についていって。走って走って。
でも、嵐さんは置いていくわけでもなく、一緒に走り抜けることを選んでくれて。

色々しんどいこともあった世の中を、なんとか渡り歩けたのは嵐さんが近くにいてくれたからだと思っています。

今日は
とびっきりのでっかい愛を叫びます❣️


今年はお話も中途半端になっていて心苦しいですが(みんな忘れとる...)、お世話になりました。
2021年も、これからもどうぞよろしくお願いします🤲

皆さまお身体ご自愛くださいね♡
笑って過ごせる2021年でありますよう願いをこめて。


チーズケーキ拝