『キジも鳴かずば撃たれまい』


この話、実は深くて切ない話だったんですね!単純にうるさいキジでも鳴かなきゃ撃たれないよ!みたいな格言位に思ってましたが、ちゃんとした深く切ない昔話としてあるんですね。

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昔、母親を早くに亡くした父娘が貧しいながら幸せに暮らしていました。

あるとき、娘が重い病にかかり命も危うい状態になり、おかゆも食べれないでいた。
そんな時に『父ちゃん、小豆まんま食べたい』娘が言ったが、その当時とても高くて貧乏な家では食べられるものではなかった。

父は元気がなくなって行く娘を見てられなくなり…村の倉庫からお米と小豆を一人分だけ盗んで娘に食べさせました。

娘は、やがて元気を取り戻し「美味しい小豆まんまを食べたら元気になった~」と手毬唄にして遊ぶほどでしたが、村では何者かが倉庫に泥棒に入り、米と小豆を盗んだという噂が広まり、手毬唄を聞いていた村の者が娘の親が犯人だとつきとめ、見せしめの罰として娘の父を殺してしまいました。

娘は、父が殺され悲しみ暮れ毎日その声が聞こえない日が無い位に泣き尽くしました。やがて、娘は村の誰とも口をきかなくなりました。更に年月が経ち娘の姿も噂も村では聞かなくなりました。

更に何年も経ったある日、村の若い猟師が山に狩り出ました。そこへ山に住むキジが現れ鳴き声をあげて逃げようとしましたが、猟師は鳴き声のする方へ向けて鉄砲を撃ちました。命中した方へキジを探しには行ってみると、そこに一人の女性がキジを抱きかかえて立っていました。

消息不明になっていたあの娘がたっていたのです。そして、全く口をきかなくなっていた娘が、初めて口を開き、こうつぶやいたのです。

「キジよ、お前も鳴かずば撃たれまい」


こうして、この諺は後世に伝えられていったとさ。