三月の朝 Ⅴ
〔三月の朝 Ⅴ〕
それでも痛がる母の体を無理やりマッサージし、食事をさせようと、日々努力はしたけれど、、母の体は固まっていき、ついに寝たきりで、食事も流動食になってしまった。
そうなると栄養も足りず脂肪もなくなってゆき、骨に皮を巻いただけの体型になり、ますます老いてしまった母。
でも私の母には変わりなく、「生きているうちに看病と言う形で親孝行が出来るんだから、私は幸せな方だよね!」って自分に言い聞かせて、自分を保っていた。
私が母に一方通行に話しかけるしか出来なかったけど、いつも最後に「聞いてくれてありがとう。」と言って病院から帰った。そうするとなんだか寂しくない気がしたから…