ネットニュースで現場の若手の駅員の話がありました。乗客とトラブルがあった時どうするか、乗客同士がもめている時どうするか、という話でしたが、若い駅員が対応すると収拾がつかないケースが多くなるのでベテランの駅員を呼ぶ、ということでした。うまいこと解決に導いてくれるそうです。年を取ればとるほど場をうまくおさめられるんですね。保護者対応のロールプレイングを試験で課す自治体があります。面接官が保護者になり、受験生が教員として保護者の要望や要求に対応するのですが、これが苦手な人が本当に多い。実際課題になる場面は、「保護者の言うことも、もっともだな」という微妙なところを突いてくる課題です。「給食が苦手で、学校行きたくないと言ってるから苦手なものを食べさせないで」とか「お茶よりもスポーツドリンクのほうが熱中症対策になる。スポーツドリンクを持参したい」とか、すぐには答えが出ない課題がほとんどです。「どうすればいいのか」なのですが一番ダメなのは、一方的に学校の都合や教育の意義を主張し、保護者の要求をシャットダウンすること。この試験の評価基準に「ダメなものはダメ」「毅然と断る力」は入ってないでしょうし、では、保護者の要望を受け入れればいいのか、となるのですが、それもその場の自分の判断で、回答はできない。最終的には、「管理職に伝えます」「学校で検討します」という答えになりがちですが、それでは何とも頼りなく試験の趣旨にも沿っているとは思えない。私が思うに、このロールプレイングで大事なのは「誠意」では、ないかと考えます。困っている保護者、子どもを気遣う保護者にどれだけ共感し、一緒に考えていく姿勢が評価されているのです。そこで、具体的にどうすればいいか、になりますが、実はこのような姿勢は、練習では身につかないんですね。大事なのは経験です。どれだけ保護者対応をしてきたか、です。実際、ロールプレイングをしても、若手よりもベテランのほうが圧倒的に上手です。

ですので。若手の方はロールプレイングでは、「保護者の話をしっかりと聴く」という姿勢は心がけましょうね