今年は2/4~北京オリンピックがあります。コロナの報道に隠れ、いまいち盛り上がっている気がしませんが、NHKで過去の冬季オリンピックの名シーンが先日流れていて、やっぱし4年に一度のオリンピックはドラマがあるなあ、と改めて実感しました。冬季オリンピックの感動した場面として、もう30年ぐらいになるのですが、スピードスケートの王者ダン・ジャンセンが思い出されます。時の流れは早いものですが、昨日のことのように覚えています。ダンジャンセンは4度のオリンピックに出場し、当時は絶対的な強さを誇った選手。しかし、オリンピックのメダルは、縁がなかったんですね。2度目のカルガリーオリンピックでは、500m、1000m金メダル間違いなしの前評判だったのですが、なんと2回とも転倒という

アクシデント。というのも前日に最愛の姉を白血病で亡くし、心の整理ができなかったんですね。当時のことは私よく覚えていて、アナウンサーが、やたらに「姉と誓った金メダル!」と連呼して、感動話に持っていこうとしていましたから。3度目のオリンピックでも絶好調のまま挑むのですが、なんとまたレース途中でバランスを崩してしまい、メダルを逃がします。そして4度目のオリンピック。年齢的にはラストチャンス。さすがに金メダルを獲るだろうと言われた500m、信じられないことに、またミスをおかしてメダルを逃がしてしまうんです。「優しすぎるから4年に1回のオリンピックでは強さを発揮できない」「メンタルが弱い」とさんざん言われたことが、また現実に起こるとは・・・・。残されたレースは1000mのみ。おそらくテレビの前の人は神様に祈ったのではないでしょうか。「金メダルでなくてもいいからメダルを与えてやってくれ」と。前半の組の選手が良いタイムを出し誰もこの記録を上回れず解説者も「この記録を抜くのは難しい」という中、ジャンセンは、快調に飛ばします。しかし、直後のカーブでまたしてもバランスを崩すというミスが・・・・。「またか・・・」誰もがそう思う中、何とか踏ん張り、諦めず完走しゴール。そして、ついに悲願のオリンピック金メダルを獲得したのです。私は大学生で、友人達と声を張り上げて応援しました。「こんなことってあるねんな」と感動しまくりでした。

しかし、当事者からすれば、「ありえないこと」ではなく、「諦めなく続けた結果」なんですね。こうした人生ドラマは、オリンピアンだから起こる、というのではなく、一人一人誰もが持っているはずです。今は、スマートで表面的に取り繕ったことが有り難がられ、そのような生き方がもてはやされる時代に感じます。しかし、反面、ちょっとしたことで諦めたり、挫折したりする人も増えているかもしれません。そもそも「人生ゲーム」にあるように、人生なんて、山あり、谷ありなんですから(歳をとってわかった部分もあるのですが)、「そういうもんや」と思って生きていれば、少しは楽に生きていけるかもしれません。