読売新聞には「人生案内」というコーナーがあります。読者からの相談を著名人や識者が真摯に答えるという形式の読売新聞の名物記事です。相談の内容は、時代によって違いますが今多いのは、老後、家族、不倫、対人関係、病気など。相談する年齢層は高校生から老人まで幅広く、だいたいの場合においては、相談する人に対して親身なアドバイスが多いのですが、たまに辛辣で非常に厳しい言葉で答える時があります。先週の記事もその一つ。友とは何かを考えさせられました。

 

相談

「大学も、就職した会社も同じでお互い独身の頃は共によく遊び、世渡りの上手な彼は同期の仲間のリーダー格となり、順調に出世。私は中間管理職止まりでしたが、在職中はそれなりに納得していた。お互い在職中から大学のOB会の活動には積極的に参加し、定年退職後にはOB会の幹部役員に。彼は在職中の実績もあって、役職の代表になり、私はナンバー2の地位で彼に協力を惜しみませんでした。やがて役員改選。私は当然、自分が代表に推されるものと思っていたのに、彼は別人を後継に指名した。その一瞬のうちに、私の彼への友情は消え去りました。せめて彼から一言欲しかったと今も悔やまれます。 このことがあって、私はOB会を退会。闘病中だった彼はその後亡くなりました。私の胸のうちを伝えることなく亡くなったので、心の整理がつきません。どうしたらよいのでしょうか。」

 

回答

あなたのいう友情がどのようなものかわからないが、友情の認識の違いが二人の間に垣根をつくったのではないか。友人はあなたのことをよく理解していた。だから、あなたを推薦しなかった。あなたに恥をかかせなくなかった。これこそが友情ではありませんか。あなたは、友の真心に感謝しないといけない。悔しい胸の内、恨みつらみを打ち明けなかったのは良かった。それは彼を苦しめるだけで、あなたの器量を下げるところでした。あなたは良い友人を持ちながら、友人の素晴らしいところを学ばなかった。もったいないことでした。今からでも遅くはないので人に尊敬されるための、せめて立ち振る舞いを学んでみてはどうか?真似をすることも勉強です。心の整理も付きますよ