先日、ある元受講生と飲みに行きました。彼は真面目で実直、一生懸命、そして努力家。信念もある。その反面、頑固で、生き方としたら不器用な生き方をしている、そんな印象の子です。彼は教員採用試験を合格はできませんでした。5年通ったんです。新教舎に。諦めず。 しかし、私は力になれませんでした。合否発表後、「これからどうするか考えます」という連絡があり、そんな彼から電話があり、会ったわけです。

 数か月ぶりに出合った彼は、何かつきものが取れたような晴ればれとした表情でした。

「結婚したんか?」

「いや、それはこれからです」

と苦笑。

「どうしてるんや?」

「実は決断しました。起業したんです。」

「マジカ!?」

よくよく聞くと彼は塾を開講したのです。それも普通の塾ではなく『学ぶ楽しさを教える塾』

「それは凄い決断やなあ。でも自分の性格からしたらあってるわ」

「そうですか?」

「組織に向かへん思っててん。」

「(笑)」

人間向き不向きがあります。得意不得意も。試験に落ちたからといって、その人間はダメなのか?といえばそんなわけはない。前向きにとらえれば、「落としてくれてありがとう。別の世界で一旗あげます」ということです。

そんな彼に「力になれんで申し訳ない」といった際、彼は「ブログで救われたんです。」と言ってくれました。「面接であちこちでボロクソに言われる中でこのブログに出会ったんです。この人なら面接で落とされている人の気持ちがわかってくれると。面接でここまで話せるようになり、今は感謝しかありません」

正面きってここまで言われて嬉しいやら恥ずかしいやら・・・・。

 

正直、このブログに私は限界を感じていました。当初、このブログを始めたのは『面接』という

試験に自分が挑戦するために、始めたのがきっかけです。そして、ある答えに達しました。人それぞれ個性があり、良さがあり、課題もある。伝えるセンスがある人、ない人もいる。印象が良い人、悪い人もいる。経歴も人によって全然違う。何より、試験本番何を聞かれるかわからない。「今日は暑いですね」で「(えー、そんな練習していない)」とパニックなるような人もいる。

そんな中で絶対に合格するためのすべての人共通の『面接術』なんてあるのか? 私の解答は無い、です。更新が絶え絶えになったのもそれが理由です。100人いたら100人の面接があるのが面接です。一般的に0点の回答であっても、タイミング、その人のキャラによってはその回答が100点になるのが面接です。人と人との会話、コニュケーションはそれぐらい繊細で複雑なものであるなら、このブログの内容もある人にとっては100点、しかし0点になる人もでてしまうのでないか、そう思ったわけです。つまり怖くなったんですね。間違って伝わってるんでは

ないかと。

しかし、絶え絶えになっていたこのブログも、彼の言葉のおかげでやる気が戻ってきました。『救われた』は私にとって最高な『褒め言葉』です。彼とは再開を約束したのですが、数年後は、「誰もが通って良かった!!」といわれる塾になっていることでしょう。