先だってのブログでは橋下さんの演説の内容についてお話しました。選挙に勝つには、有権者に自分を支持してもらい、投票してもらわないといけないのですが、投票率にみるように日本の投票率は高くありません。主権者教育が叫ばれていますが、とくに20代の投票率は低く、義務教育段階から政治や選挙に興味関心を持たすことは意義があると思います。

 さて、橋下さんの演説で今回の市長選前の演説は、あまり迫力がなかったという感想を書きました。私が考える理由としては、すでに勝利を確信していたため、票を減らしかねない過激な発言を控えたからです。理性的に有権者に考えさせる演説で、少しでもいいので票の上乗せを狙った感じがしました。内容は「大阪市長選の過去の投票率は30%程度と低かった。大阪がここまでどん底に落ちたのは、選挙に行かなかった有権者の方々にも責任はあるのですよ。明日は選挙へ行きましょうよ」

この演説を聞いて、有権者は頭で考えます。考えてもっともだと思えば今まで選挙に関心がない人も足を運ぶでしょう。でも、当日に用事がある、めんどくさいそういった人は行動を起こさないでしょう。

大阪都構想前の演説は、理性もひったくれもありません。仮想の敵を『分かりやすく』 ひとくくりにし、この敵がいかに悪い奴らかを訴え、この敵を倒さないと明日の大阪はない、なんとしても倒したい、もう少しで倒すことができるみんなで倒そう、一団結して!!

このような内容の演説。

理性的に考える余地を与えない。橋下さんの言っていることが正しいのか、本当のことなのか、そんなこと以上に、その敵を倒したい!!と思わせる心に訴える演説です。事前集計で反対が賛成を大きく上回っていたのにもかかわらず、接戦まで持ち込んだのは、心を動かされ、投票に行った人が大きかたのです。人を動かすには、理性的に考えさせ行動を促すことも大切ですけど何より心、ハートに訴えないとなかなか人って動いてはくれないのです。こうした人の行動原理をしっかりとわかっていないと、面接でも「この人は良いことは言っているんだけど、決め手がないなあ」という評価になりかねません。