先日、集団討論演習をおこないました。討論にありがちなことなのですが、いったい今何を討論しているのか? 聞き手も話しても理解できない場合があります。そういった場合、たいていの場合は沈黙が続き、討論も不発に終わる場合が多いです。なぜ、このような事態に陥るかといえば、討論の参加者が全体像をつかんでいないからです。当然、聞き手も全体像を提示されていないので討論の内容も理解できません。

 ここで池上彰さんの「伝える力」が役にたちます。その著書の中で「地図を渡す」という表現があります。これは最初に全体像を示せということです。

例 討論の内容

  「学力低下についてどのように考えていますか。またその問題にどのように取り組みますか」

ここで最初の発言者が地図を提示できるかどうかでその討論の成否が決まります。

 「まず、学力の低下にはいろいろ理由があると思いますが、まずは皆さんのその考えを発表しませんか。その後でどのような理由があるかを整理して、取り組みについて考えませんか」

と発言することにより討論参加者も聞き手も今から何が始まるのか、着地点はどこなのかイメージできるわけです。

流れとして

 学力低下のそれぞれの考えを発表→3つぐらいに分類する→それぞれの取り組みを各自発表

つまり地図を渡すことによって、自分達がどこにいてるのかがわかるというわけです。 つづく