昨日、本屋に寄ると森内竜王名人の新書「覆す力」という書籍が店頭の隅っこに置かれていました。森内竜王名人とは将棋の二大タイトルである名人位、竜王位の現在の保持者でいわば将棋のチャンピオンなんですが、あまり知名度が無いので隅っこにひっそりと置かれていたんでしょうね(涙)森内好きの私は迷うことなく手に取りましたがスーパースター羽生善治の著書なら店頭に山積みされることを考えると寂しくなりました・・・。本の内容 16 歳でプロ棋士となり25歳での名人位挑戦棋士として順調な経歴を刻むも、名人戦の相手、小学校時代からの盟友羽生善治はそのとき七冠王になっており、水を空けられた相手に、どう戦い、何を考え、どう過ごしたのか。世評を覆し、ライバルに追いつき、差を覆す秘訣とは?そんな内容です。

さて、本の中で印象に残った表現があります。

○ 適切な努力をすること

○ 昨日の自分を越えることができればそれは一つの達成である

面接指導で、受講生がよく語ることばで「努力することの大切さ」、「努力する過程」などの表現は良く聞きます。あまりに当たり前過ぎて、もう少しひねろうよと私も言うのですけど同じ努力でも「適切な努力」と語られると「それ、どういうこと?」と関心がわきます。この意味は、著書の中で努力をするにしてもただ、やみくもに努力しても効率が悪い。皆、一応に熱意もあるし努力はしているのだが結果に差が出る。経験上、自分の特性を知り、受け入れることが出来たときに何かが動き初める。自分の特徴を知って、適切な努力をすることこそが、これまでの自分を変える方法ではないか。同じ努力でもひとそれぞれ思いは違います。森内名人の努力を端的に的確に表現したのが「適切な努力」という言葉に集約されています。「昨日の自分を越えることができればそれは一つの達成である」、同じ意味でも向上心、継続力よりも思いの深さを感じ取れます。昨日、自分の発言には責任を持て、という話をしましたが、この書籍を読んで発する言葉に対して、どれだけ深い思い入れや考えがあるか、それを端的にどのように表現するかの重要性を深く考えさせられました。