特に喉が強いわけでもないし、身体が人一倍丈夫なわけでもない。けれど、漠然とした「何か」があった。
2/17、茨城でのライブを終え、帰りの車内で軽い咳が出た。
ライブハウスはタバコの煙も凄いし、少し荒れてしまっただけだろうと思い、その日は特に何も意識せずに家路についた。
翌日、朝起きると少し声が出しにくかった。
扁桃腺炎によくなっていたので、扁桃腺炎の薬をすぐに飲んだ。のどスプレーも使った。
経験上、これで大抵の喉の不調は治る。
けれど、夜になると高い声が全く出なくなってしまった。
咳も喉の痛みも熱も気だるさも何もない。
これはいつもと違うと、その時はっきり気がついた。
明くる朝、もしかしたらという期待を込めて裏声を出そうとしてみた。
完全に声が消えていた。
痛みも何もなく、多少の違和感だけを残して声が出なくなってしまった。
その日はスタジオ練習だったので、メンバーにすぐに伝えた。実は昨日の夜から声が出なくなってしまった。もしかしたら明日のライブまでに間に合わないかもと。スタジオで歌ってみて判断したいと。
スタジオに着き、一曲歌った。なんとかなりそうだったが、確実に一曲しか歌えないことはすぐにわかった。ヤバそうなら練習はいいからすぐに病院に行って診てもらえと言われた。
立川にある耳鼻咽喉科ですぐに診察をしてもらった。
生まれて初めての内視鏡検査の結果、声帯結節という診断だった。
全く持って今までに耳障りの無い言葉だったので先生に聞いてみたところ、ポリープとまではいかないコブ(?)のようなものが声帯に出来ていると言われた。声をよく使う人に多くできるやつらしい。
たしかに、内視鏡の映像には淡いピンクの声帯のヒダに、ほんの少し白く盛り上がっているものが見えた。
こいつのせいで声帯の開閉が上手くいかずに、声が出しにくくなってしまうらしい。
経過を見て、よくならなかったらまた来てくださいと言われ、飲み薬を処方してもらいその日は家に帰った。
メンバーには薬ももらったし明日にはなんとかライブも出来そうだからやろうと、伝えた。
2/20、朝目が覚めて、声を出してみた。
昨日よりかは幾分かマシだ。これならいけるかも、と思ったが、やはり高い声が全く出ない状況に変わりはなかった。
集合場所に集まり、メンバーと相談した。
ライブをキャンセルなんてしたくなかった。
今までどんなことがあってもキャンセルだけはせずにバンドをやってきた。
過去に喉が不完全な状態でもライブは出来た。完全に「気合い」で乗り越えたことがあった。
今回もそれでいけると思った。
けれど、先ず第一に俺の今後のことをメンバーは考えてくれた。
今日のライブで声が潰れて、それがこの先ずっと尾を引くかもしれないということを危惧してくれた。
飛ばしてもいいライブなんてありゃしない。
そんなのは全員わかっている。
そんな中でもキャンセルを選んだ。
すぐに担当者の方に電話をした。
それなら仕方ないね、と言ってくれたが申し訳なさと不甲斐なさに本当に心が押しつぶされそうだった。
声以外は何も不自由はないので、全員でライブハウスまで行った。
今回誘ってくれたUKPの担当の方、出演バンド、関係者の方々に謝罪をさせてもらった。
皆、優しい言葉をかけてくれた。
本当に本当に申し訳なかった。
何より、メンバーと、今日のライブを楽しみにしていてくれた方々に、何と謝ればいいのかわからなかった。
結局は自分の声が出なくなったせい。
誰のせいでもないよと言ってもらえるが、これは完全に自分のせい。
大切にしてきたつもりでも、もっともっと喉を大切にしてあげないといけないのだなと思った。
キャンセルを決めた後、ライブハウスへ向かう車内では、俺に気を使ってくれているのか、はたまた俺に興味がないのかわからないけれど、みんないつもと同じに、それ以上に気丈に接してくれた。
須藤くんには「俺がボーカルやるから臼井はセカンドギターな」と、力強いお言葉をいただいた。フミキモはやけに優しかったけど声を出しちゃいけない俺を必死に笑わせようとしてきた。なんだこいつと思った。ゴエくんはこういうとき一番ブレないので特に触れず、「仕方ないよ」という雰囲気を出しまくってくれていた。
なんだかんだ、みんな優しいなぁと思った。
uguisを始めて5年が経ち、今までにない経験をした。
あれから2日が経ち、まだ完治はしていないけれど大分、声も出るようになってきた。
歌もMCも下手くそだけど、自分の声が出ないってのはどういうことかよーくわかりました。
今回、ライブをキャンセルしてしまったことに変わりはないし、2019年の2月20日は一生やり直しは出来ません。
本当にご迷惑、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
また元気な声でライブハウスに戻ってきます。
もっと声を大切にします。
3月23日にはROAD TO EXの初戦もあります。(これはまた近々ブログに書きます)
暖かい言葉もたくさんかけてくれてありがとう。今度あなた方が辛いときは、俺らがちゃんと支えてあげたいな、なんて、思いました。
出来るかな、わからないけど。
長くなってしまったけれど、最後まで読んでくれてありがとうございました。
すぐ治してみせます。
それでは、また。