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「君、今回の模試でB判定行かなかったら、もう早稲田特進は無理だよ。」
「そんな・・・。特進入れなかったら絶対いけませんよ。困ります。」
「困りますと言われても
うちも合格する確率の低い人間に指導するなんて
非効率的なことはしたくないんだよ。」
「・・・・。」
「もう進路変えた方がいいよ。無理だと思うがね。
君の成績では届かないと思うよ。」
「そ、そんなことないです。
今回、もし、よかったら、入れてください。」
「あくまでもB判定が最終ラインだよ?
きみの・・・・・
お兄さんとお姉さんは、
こんな相談したこともなかったよ。
君にも期待してたんだがねぇ。
誰かさんを思い出すよ・・・・。」
「・・そ、そんな、兄や姉は・・・関係ありません。」
「桜君、まぁやるだけやってみたまえ。
もしクリアしたら、考えてあげるからね。」
ガチャ。
算太郎が退室して去っていくのを廊下の影から見ていた巧は、
ゆっくり部屋からうなだれて出ていく
桜という名前の女生徒をみつめていた。
そして、後ろからそのあとを
追い抜くくらいのスピードで歩いて行った。
桜を追い抜いたとき、
巧は神妙な顔をしていたが、急に立ち止まった。
振り返った顔には笑みがこぼれていた。
そしてその笑顔で桜に語りかけた。
つづく