8-2
「この階段が一番汚い。ここを今日は掃除しておけば問題ないだろ。」
ほうきで中段あたりを下を見ながら掃いていた
山掛 巧(やまかけ たくみ)は
ふと上から3人の影が近寄っているのに気付いた。
が、気づいた時にはもう遅く真ん中の人間にぶつかって階段を転げ落ちた。
「ぐわぁぁぁ。」
いてててて。腰をぶつけて目を閉じていたが、
薄目で降りてきたやつを確認した。
まぁ、想像はしていたが・・・。
「まだいたのか?ここにお前の居場所はもうないぞ。目障りだ。」
切れ長の目の長身の男が吐き捨てるように言った。
「実の弟相手にそこまでするとは・・・
うたてしものよのう。」
「君は確率的にはもうやめてるはずだがね。」
山掛 勝利(やまかけ かつとし)
弥生 算太郎(やよい さんたろう)
卯月 夜風(うづき よかぜ)の三人は、
冷笑しながら通り過ぎて行った。
ふん。くだらん奴らだ。
この山掛 巧のことを見くびるとは・・・。
今日はホヨヨゼミナールの模試の日だ。
講師たちは朝からバタバタ走り回っている。
今いる階段は誰も来ないということを知っていたが、いやみな奴らだ。
わざとこの階段を使いやがったな。
その時うしろから声がした。
「おはようございます。」