秋海棠 紅葉は衝撃を受けている。
いつも1000円で気持ち良く現実を忘れ
自分を肯定できていたのに
突然今の自分の存在意義を危うくする敵が現れた。
それは今隣にいるおっさんだ。
と、いっても歳は30前後か。
きみは失敗する生き方をしているに等しい忠告、いや中傷、
いや注意、注釈・・・的な発言を、あろうことか
優しい笑みを携えてぶつけてきている。
「失敗・・・するための…方法・・・?」
「そうだ。君の生き方は非常に重要だ。
そして社会の役に立つ。
もちろん反例としてだ。
君の現状、思考から
現代社会の様々な問題を見つめなおすことができる。」
「あなたは・・・僕が間違っていると・・・おっしゃるんですか?」
「間違ってるかどうかは人それぞれの主観だ。
自分が満足しているか未来と現在を肯定できているかが重要だ。
たとえそうでなくても間違ってるとはいえない。
ひとつのパターンではあるがね。」
「あなたのおっしゃることは抽象的でよくわかりません。
つまり・・・どういうことなんです?」
「さがしても見つからない、ということだ。
自分探しも無意味だ。」
「えええええええええ?」
「自分探しする必要はない。
自分は自分だ。自分探しは結局認識を遠ざける。
自分探しは誰も幸せにしない。
目的が自己満足すぎるからだ。
自分を見つけたとしていったい社会的にどんなメリットがあるんだい?」
「うううううううう。」
「当たり前に生きているうちに達成感ややりがいを感じて
自分の幸福を確かめていくのが、結局、王道だよ。
特別なことは必要ない。」
正直自分探しといえば今の停滞している自分を
上手に保留できているような気がしていた。
それなら今の自分が解答だとしたら・・・・・。
「じぇあ。。もうレールを外れたにんげんは・・・
落ちていくしか・・・ないんれすか?」
涙声になってきた。
男はゆっくりと諭すように言った。
「君はすでに昔レールを引いている。
だから今もそのレールにいると思えばいい。
自分探しは自分に気づくということだ。
原点に戻ろう。」
つづく