私は朝がどうも苦手だ。
カーテンの隙間から差し込む光が、私の頭を焼くような錯覚に陥る。
今日の朝も大変だった。
唯一の味方、お布団が私に抱き付いては離れず、ベッドから出させてくれないのだ。
その間も差し込む太陽光。
徐々に頭を蝕む。
ピーンポーン。
突然部屋の中で鳴るチャイムの音。
すると、これまで抱き付いては離さなかった布団は、いとも簡単に私から離れた。
小走りで玄関まで向かう。
「宅配便です」
「ご苦労様です」
訪問者の正体は宅配便。
そう、私を布団の呪縛と太陽光から守ってくれたのは、紛れもなく宅配便なのである。
ありがとう宅配便。
この情勢、きっと宅配業者の方は大忙しだろう。
次、宅配便が来る時は、缶コーヒーでも渡そうか。
そんな事を考えながら、私は再びベッドに潜り込んだ。