産刑新聞 10月28日(木)12時18分配信
84歳の河内山十一(こうちやま・じゅういち)さんを包丁で刺殺し、ほぼ全財産を奪ったとされる派遣会社員、山崎義久容疑者(52)=大阪府茨木市橋の内。残忍な手口と裏腹に、知人にはまじめで温厚な人柄として知られていた。茨木市の一軒家で、妻と子供2人と暮らしていた山崎容疑者がなぜ凶行に走ったのか。
関係者によると、山崎容疑者は5歳のころ父親と死別し、母親が私立商業高校の寮母をしながら茨木市内に家を建て、山崎容疑者と弟を育てあげたという。
中学を卒業した山崎容疑者は、「得意のそろばんを生かせる」と母親の勤務先の高校へ進学。素行が荒れる同級生もいる中、簿記クラブに所属して勉強を怠らず、成績は上位だった。
昭和52年に高校を卒業し京都の税務会計事務所に就職したが、「仕事が面白くない」と約1年で退職。54年、大阪市北区のカメラ店に再就職し、趣味のカメラを覚えた。遅刻しないまじめな仕事ぶりは評判がよかった。61年に結婚し、子供2人に恵まれ、母親から譲り受けた家も建て替えた。
順調な人生が暗転したのは平成16年。25年間勤めたカメラ店を経営難でリストラされ、派遣社員として職を転々とした。追い打ちをかけるように20年秋の金融危機に伴う世界不況で“派遣切り”が相次いだ。収入が減り、生活費を父親の遺産に頼った。それでも仕事は淡々とこなしていたという。
そんな山崎容疑者が今年9月中旬、豹変(ひょうへん)する。人生何度目かの勤務先となった茨木市内の大手電機メーカーの工場で、派遣会社から「10月末で解雇」と通知されたのがきっかけだった。
「やってられんわ。何かでかいことやったる。あいつら見返してやる」。驚く同僚(51)を尻目に、何度も繰り返した。
河内山さんとは今年8月、「舞妓(まいこ)に会える京都日帰りお座敷ツアー」で知り合った。席が同じになり、共通の趣味のカメラの話題で意気投合したという。
最新のデジタル一眼レフカメラを持ち、「年に数回は国内旅行に出かける」と話す河内山さんを、「金持ちそうだから狙った」と供述した山崎容疑者。最近は父親の遺産も底をついていたといい、老後を楽しむ河内山さんが、ねたましく思えたのかもしれない。
高校3年生の担任だった元教師(68)は、「怒った姿を見たことがなかった。人を殺したと聞いても何かの間違いではないかと思ってしまう」。その手元に、山崎容疑者が毎年送ってきたという、家族写真の年賀状が残されていた。
山崎容疑者の人生からは、これまで産刑新聞が推進してきた弱者切捨て推進政策がようやく実ってきたことをうかがわせる。これからこういった形で人生から転落する犯罪者が続出するだろうが、このように犯罪を起こしそうな者を未然に拘束できるよう政府は早急に法整備を進めるべきだ。
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