8月1日付の辞令で東京支店に転勤になった先輩が東京に旅立った。

先輩にとっては人生初の一人暮らし。
しかも、ロクに知り合いもいない東京ということで、期待もあるが不安も大きいと思う。


そんな中、後輩とふと思い付いた見送り計画。

金曜日の送別会で東京への新幹線の出発時刻を聞き、最初は冗談半分だった話だが、実現させちゃうのが若さと勢い。

朝7時の出発と言うことで6時過ぎに後輩からメールが入る。

昨日まで酔った勢いで冗談半分だった計画が、一気に実現へ向け走り出す。

昨日の時点で先輩の同期も誘ってある段取りのよさにはとにかく脱帽。


駅に着いたものの、何号車に乗り込んだのかわからない我々は、唐突に電話を掛ける。

「何号車ですか?」

「は?よ、4号車だけど。」

困惑する先輩。

とりあえず、目標を見つけた我々は4号車に直行。


先輩を見つけると、

「は?何で?」

動揺する先輩。

そりゃ何も連絡しないで突然後輩達が新幹線に現れたら驚くわな。


とりあえず、後輩が先輩から預かってた物を返し、

「これは直接渡してください。」

返した物は先輩が同期の女性に対し、直接渡せないからと後輩に託したプレゼントだ。


それを今までのお礼の言葉と共にしっかりプレゼントを直接手渡す先輩。

その目にはうっすら涙が見えたようにも見えた。



クールで自分の気持ちをなかなか表面には出さない先輩が見せた涙。


自分の上京の時はどんな気持ちだったかなぁ、なんて昔のことを思い出しても今は全く思い出せない。

きっと一人孤独に旅立ったんだろう。


でも、今日のことは上京の時の思い出として先輩にしっかりと刻みこまれていってほしい。

そして、東京に行って辛いときはこんなことがあったなと思ってもらえればいいな。


頭のいい先輩だから東京でもきっといい仕事をして、また新潟に帰ってきてくれるだろう。


帰ってくるまで自分も先輩に負けないように頑張らねば。

そして、また飲みに行きたいものだ。