ウソブロ

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100%フィクションで綴るウソ日記

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数字だけが並ぶパソコンの画面から目を離してため息をつく。

一週間前の光景が頭から離れない。

噂好きの女子達にささやかれてる夫婦仲の悪さを否定するように

腕を組んでにこやかに笑いあう彼と奥様。

社内でレセプションの後、これから夫婦でお食事ですなんて

周りに冷やかされながらタクシーに乗り込んだ。

信じつつなんて関係ない。

ただ、あの娘は彼を愛していて、彼の隣はあの娘のもの。

そんな解りきった事実に今更のように沸いてくる醜い感情。

世間的に見れば、悪い奴は完全に私の方なのに。


意図的なのか無意識か、いつになくはかどらない仕事たち。

午後7時30分。約束の時間まであと30分。

久しぶりにあなたにもらった連絡なのに、今日は間に合わなさそう。

携帯電話を開いて、何もしないでまた閉じた。

このまま私が連絡をしなかったら彼は心配してくれるだろうか。

それとも、終わりに出来るだろうか。

それは両方私が望むこと。だけど両方望まないこと。

うらはらな思いにうんざりしながら、それでも選んで続けているのは私。


結局オフィスを出たのは9時を過ぎた頃だった。

帰り際のお化粧直しはあえてしない。

自分へのほんのささやかな抵抗。

待ち合わせの場所は、私が大好きな静かなバー。

歩く距離が長いからとあまり行きたがらない場所なのに

今日わざわざここに指定してきた意味を邪推してしまう。

それでも、カウンターに座る横顔がこっちを向いて微笑んでくれたとたん

全ての嘘も真実も見えなくなってしまう。


静かに交わす二人だけの会話。

あの日のことは聞けないし、彼も何も言わない。

私にそれを問い詰める権利はないし、彼も謝るべきことではないから。

ただ、いまこの時間隣で笑えるだけで十分だ。

久しぶりに感じる彼の声や匂い、ぬくもりにやっぱり私は抗えないことを知る。


いつものように家に来て、いつものように明るくなるのを待たずに帰っていく。

幸せな時間はきっとおやすみのキスまで。

ドアを閉じたとたん襲ってくる自己嫌悪と淋しさにどうしようもなくなって

あなたの温もりがまだ残っているベッドできっと今日も泣きながら寝るんだろう。