聴覚を刺激する体験
先日、家族でブラインドサッカーを体験してきました。
ブラインドサッカーを御存じですか?目隠しをしてフットサルをするといったニュアンスで伝わるでしょうか。
五感のうち私達が日常的によく使うのは視覚のようですが、しっかりと目隠しをするので聴覚や触運動覚に頼ることになります。
ボールが動くときに生じるシャカシャカという音。『こっちから行くよー』というナビゲートの声。地面を移動するときに足の裏で感じるのその地面の傾きや固さなどに普段より敏感になります。
その日は全く初めての人達向けの体験だったので、転がってくるボールを止めたりあるいは蹴り返したり。
聴覚や触運動覚が刺激されてくるうちに、ボールが足元に吸いついてくるような感覚とそれと同時にボールの軌道がなんとなく、映像としてぼんやりとイメージされるような。。。不思議な感覚になりました。
これが試合となると
ゴールはどこ?
ボールはどこ?
味方はどこ?
相手はどこ?
視覚に頼らず、声がけしながらのコミュニケーションによって
早いテンポで進んでいくようです。
もっとブラインドサッカーを体験してみたくなりました。
外を歩くと息苦しいような暑さが続きますね。
どうぞ皆さまお体を御自愛くださいませ。
スウーっとしたこと
蒸し暑い日が続きますね。
ちょっとご無沙汰しておりました。
皆さまいかがお過ごしですか?
今年はトレーニングも兼ねて、
公共機関で移動するときも駅からはバスやタクシーなどを使わずに歩くようにしています。
先日も荻窪を訪れた際に
約束の時間まで余裕もあったので、大きなお屋敷が並ぶ荻窪の街を30分程かけて歩いていきました。
堂々とした門構えと建物に、よく手入れの行き届いた樹木。
何代も続く家の風格と気品を感じます。
前回は比較的に車の往来のある分かりやすい道を歩いていったのですが、今日はちょっと前とは違う道をいってみたい気持ちが湧き上がってきて
おもむろに石垣のあるお屋敷の角を左に曲がりました。
前回はあと100メートルくらい先の交差点を曲がった記憶があります。
曲がった瞬間に え? と
明らかに記憶にない光景に「戻ろうか」という気持ちもでてきましたが、それ以上に「まあ、なんとかなるだろう」という自信が後押ししてくれます。
無料開放されている庭園沿い道をゆるやかに右へ 左へ。登ったり 下ったり。
街は古い家と新しい家が混じり合って、時折あらわれる小さな交差点ではなんとなく「こっちかな」と、思うがままに気分よくどんどん歩いていきます。
やがて突然視界が開けて、どうやら大きな団地に突き当たったようです。
そしてその団地は以前バスで来ていた時の終点の名称です。
「あれ、行きすぎだ。ずいぶん横にそれちゃったかな」
携帯ナビとかを使ったこともなく、地図もプリントアウトしてこなかったので周辺地図が描かれた看板をさがしますが、なかなか見当たりません。
時間は正午を過ぎたあたり。
梅雨の晴れ間の強烈な日差しが頭の上からジリジリと照りつけてきます。
そういえば、さっきまでは大きな楠や杉などで日差しを遮ってくれていたのですが今は周辺に大きな樹木もなく、夏の日差しの照り返しで眩しいくらいです。
「うーん、迷っちゃったかな」
昼だからか?この暑さからか?道行く人もいないので、とにかく地図看板を探すしかありません。
だんだん喉がかわいてきて、息も苦しくなってきます。
5分ほど歩いたところで反対側を歩いている人を見かけ
うーん なんだかえらく気難しい顔をしている この人に道を尋ねるのは、ちょっとなあ。。
次に見かけた人は、ヘッドホンで音楽を聴きながらまさに自転車にのろうとしている
あ いっちゃった。。
どこを歩いているのかも分からないまま、ただ「こっちかな」という勘を頼りに歩いていきます。
しばらく道行く人に合わぬまま、たぶんこっちの方角だろうという方向に歩いていきます。
だんだん「約束の時間に間に合うんだろうか」と不安な気持ちが強くなってきました。
そしてこの暑さからか、頭もぼーっとしてきます。
息苦しさも増してきます。
その状態で5分くらい歩いたところでしょうか
「この道は違うな さっきのを左だ」と感じて戻ろうとしたとき、視線の先に自転車を押して家の門を開けている人を見かけました。
家の前で背後から声をかけるのも怪しいよなあ。。
そのまま、その人の後を通りすぎます。
約束の時間まであと10分を切っています。
コミュニケーションを学んでいるんだろう?
こういう時に使わないでどうする?
ちょっと思い切って
「すいません」
聞こえないようです
「すいません」
まだ聞こえないようです。無視しているのかもしれません。
その人の横にまわって
「突然にすいません。道に迷ってしまったようで、声をかけさせて頂きました。環八に出るにはどういけばいいでしょうか」
その人は明らかに恐怖で後ずさりしながらも
汗だくの僕を見て事態を把握したのか、環八までの道のりを丁寧に教えてくれました。
「どうもありがとうございます 驚かせてしまってごめんなさい」
結果的には右往左往しながらも環八まであと少しのところまで来ていたようですが、こういけばいいという確信を得ると心底ホッとします。
ようやく息苦しさからスウーっと解放されました。
丁度良いタイミングで前方に自販機が表れました。
喉も頭もすっきりとしてきたところで、大きく何度か息を吸い込みます。
なんとか約束の時間には間に合いそうです。
なんだか皆さまと共有したくなって長々と書いてしまいました。
蒸し暑い日が続きます。
どうぞ皆さまお体を御自愛くださいませ。