今年受験された方には、いずれも 思いあたるものばかりかと(笑)。


これらに加えて(?)、ヒラリー・クリントンとミシェル・オバマとブッシュ・ジュニアにはなく、われわれ外国人受験者にあるのが、英語+αの問題。
自分の法律知識の不足だったらあきらめもつきますが、それ以外の原因で問題を解けないというのは、悔しいものです。


英語の問題と言っても、問題文が長くて読むのに時間がかかるケース(試験時間が足りなくなってしまう)と、キーワードとなる単語がわからず正解できないケースがありますが、私の場合多かったのが、後者。
たとえば、以下のような問題がありました。


AはBから建物の建設を$160,000で請け負った。“Their written contract provided that B would pay A $60,000 in cash on commencement of construction, scheduled for April 15 after the spring thaw. The region had a late spring, and on April 30 A had not yet commenced construction.”AおよびB(Bも支払していない)は、契約に違反しているか?


ここで、"thaw"ってナニ?とか考え出したら、1分半ではとても解けないわけですよ(MBEこと全州共通択一式試験では、1問を約1分半で解かなければいけない)。でも、この”scheduled for April 15 after the spring thaw”という部分をどう読むかは明らかに解答に関係あるので、気になります。
ちなみに解説によれば、ここはpromiseではなくconditionと読むべきで、ゆえにAもBも契約に違反していないのだそうです。


MBEには引っかけ問題というか、けっこういやらしい問題も多く(私はバーの勉強をして始めてred herringという言葉を知りました)、某予備校では"MBE is as much a reading comprehension exam as it is a law exam."とくり返し言っていました。
だからと言ってバカ丁寧に問題を読んでいては時間が足りなくなるわけで、そのバランスが非常に難しいです。


そして、+αのほうとして忘れられないのが、以下の問題。


建設会社が道路工事を請け負った。作業員が道路上に大きな穴を残してその日の作業を終えた。作業員は、穴の周囲に柵を設けたが、適切な照明を設置しなかった。現場は治安の悪い地域にあった。その日の夜、トラックが通りかかり、穴に落ちた。トラックは大破し、運転手は電話をかけに現場を離れた。その間に、何者かが積荷のビールを盗んで立ち去った。建設会社の責任の範囲は?


解説によれば、治安の悪い地域である以上ビールの盗難は”foreseeable”だから、建設会社はそれについても責任を負うのだそうです。
私の感覚では、治安の悪い地域にトラックを停めたからといって、それと第三者が故意で積荷を盗むこととは直ちに結びつかないように思うのですが、ここはアメリカ。文化の違い、常識の違いを感じた瞬間でした。


ま、そんなわけで、もうすぐNYバーの合格発表ですが、前にも書いたとおり今回は期待薄ですので、あらかじめお断りしておきます。