法務というのも言葉を扱う商売なので、言葉の使い方については日々意識させられます。

最近は、日本語が堪能な外国人に日本語を解説する機会もあったりして、英語とともに日本語についても思い悩むことがあるのですが、そんな折、新刊で買ったものの「寝かしてあった」この本、「日本語へんてこてん」(あんの秀子/ポプラ社)の存在を思い出し、読んでみました。


言語を切り口にした社会分析というのはそれ自体確立した手法ですが、この本はその面ではそれほど深く掘り下げてあるわけではなく、なるほどというのもあればふ~んというのもありました。

それよりも、「ありえない」などの現代の流行り言葉が古典文法にルーツを持っている、という一見意外な事実を、多数の例をあげてわかりやすく解説してあるという点が、この本の白眉でありましょう。


流行り言葉ではないですが、「へ」と「に」の使い分けなども、それこそ日本語を説明するにあたって役立つトピックで、今の私にはタイムリーで楽しめました。

ただし、全面的に文法の話なので、文法に関心がないを通り越して拒絶反応を示してしまう人には、おすすめできません。