LLMと違って実務研修の様子はさすがに具体的なことは書けないので、それゆえカテゴリー(テーマか?)としても設けてないのですが、たまには「実務的」なことも書いてみようと思います。


知財権者から侵害警告レターが来た場合、身に覚えがあるにしろないにしろ、どのように返信するかは実務にあたられている皆さん悩むところでしょう。

侵害の事実を認めず返す刀で情報を要求する、というのが定石かと思いますが、それを思い切りアグレッシブにやったのが、これ (具体的には右側一番下のリンク)。


原告(裁判ではありませんが、便宜上こう呼びます)にとって不幸だったのは、被告のCEOが20年近くも訴訟を専門としてきた弁護士だったこと。

ふつうはまぁここまで書かないと思いますが、ビジネスマナーに従った丁寧な文体の中に怒りのエネルギーを充満させたプロフェッショナルな文章は、ほとんど芸術品の域に達しています。

一実務担当者としては、使える英文表現が目白押しです(笑)。


なお、原告はいわゆるpatent trollではなく、アメリカのこの(狭い)製品分野ではけっこうメジャーな会社で、私も個人的にこの会社の製品を持っていますが、trade dress侵害だって主張してるのがこれ らしいですからね。被告がfrivolousだと反発するのも、ムリない気がします(レターの中では"vexatious"という言葉も使っていますね)。