なんというタイミングでしょう、前回の記事を書いたあと、実はひとつ科目を減らしました。朝メールを見ていたら「今日が履修科目のverificationの締切だからLLMオフィスに寄ってね。」というのが来ていて、私はその時初めて履修登録手続上verificationなるものが必要であることを知ったのですが(オリエンテーションとかで説明されたのだと思うが、あまりに大量の情報で覚えきれない)、ふと、「まてよ、これってverificationするまでは正式な登録になってないってことだよね?ていうことは、今ならまだ変更できるんでは?」とひらめいたのです!
で、授業の後にLLMオフィスに行って「変更したいんだけど、できる?」と聞くと、受付では予想どおり「もうadd/drop期間は終わったからだめ。」という答が返ってきましたが、「それは承知してるけど、登録したある科目にちょっと問題があるので相談させてもらえないかな?」とねばったら、責任者と話をさせてもらえることになりました。そのまま急遽面談となり、今さらながらだがある科目を減らした方が全体として充実した学習ができるはずだという考えを説明し、了承してもらえました。
事前に(正確に言うと当初の2週間では)わからない部分があったとはいえ、締め切りを2週間以上もすぎてから履修科目を変えたいと言ってくる学生というのもわれながらどうかと思います。話を聞いてくれたLLMオフィスには感謝の気持ちでいっぱいです。
というわけで、秋学期は6科目18単位ではなく5科目15単位を履修登録することになりました。
Civil Procedure (Prof. Bone)
週3回で、これだけ通年科目(春学期は別の先生が担当)。予習の量はそれなりに多い。この授業は、とってよかった。Bone教授は、失礼にあたるかもしれないが、真のエンターテイナーである。はずみで学生のノートパソコンを叩き壊したという伝説の激しいボディーアクションを交え、制度の背景にあって対立する実質的利益(underlying substantive values at stake)を情熱たっぷりに語る。手続の話でこれだけ学生を惹きつける先生を、私は知らない。内容としては、当初Goldberg v. Kellyという1970年の連邦最高裁判決(Brennan判事が、在職中に判決文を書いたもっとも重要な判決として、これをあげたという)を延々とやっており、これは事前のヒアリングの機会を与えずに生活保護を打ち切るのがデュープロセスに違反しないかという、一般的な民事訴訟のイメージとはかけ離れた事件であったので、だれもが不安になりかけた。どうやらそのココロは、どのような価値判断のもとにどのような手続が必要とされるのかじっくり考えてほしい、目的があって制度があるんであって逆ではない、というようなことだったようだ。しかし最近は、連邦民事訴訟規則の条文でpreliminary injunctionの要件を確認したりなどして、ふつうになってきた(笑)。授業の補足などのメールが多く、読むのがたいへんではあるが、理解を助ける点では非常にありがたい。
Intellectual Property (Prof. Meurer)
週2回。文字通り知的財産権法体系の入門という位置づけで、講義要項によるとトレードシークレット、特許、著作権、商標、州法、国際法などを半期で概観できるので、便利である(忙しそうだが。。。)。欧州系のLLMは、知財実務経験者なのにいまさら、ということで軒並みとるのは止めてしまったようだが、内容はそれほど初歩的すぎるとは思われない。アメリカのロースクールというのは法律以外のことを専攻して学位を取った人しか基本的に入れないので、当然理系出身者もわんさかいるが、さらにボストンという土地柄IT系のエンジニアだったなどという人もいて、学生の発言もおもしろい。この先生は唯一パワーポイントを使用して、しかもそのファイルを公開してくれるので、非常にありがたい。話もわかりやすいと思う。