LLMが始まってからはや一ヶ月、気がついたらLLMのことはまだ1回しか書いてないので、たまには書きます。
えぇと、2週間悩んだすえ、秋学期は以下の科目を登録しました。
ほんとはTortsやTrademarkなどもとりたかったのですが、作業量や授業時間の重複の関係で、泣く泣く断念しました(それでも6科目というのは多い方らしいです)。


Introduction to American Law (Prof. Wexler)
週1回の必修。課題の量はけっこう多い。若手の先生で、進め方はゆっくりだし、説明はまあまあわかりやすいし、話も適度におもしろいのでよいと思うが、人によっては退屈と感じるかもしれない。また、いまのところお決まりの連邦と州のjurisdictionの話とか、ほとんど憲法の範疇に属する内容で、これからもたぶんそうなので、その方面がキライな人には辛いかもしれない。時たま週2回授業をやって、その分早めに試験をやって試験シーズンに他の科目に専念できるようにしてくれるそうなので、親切である。この授業が唯一LLMが一同に会する(Banking & Financeの学生はまた別だが)時間なので、社交や情報収集の場としての価値が高い。


Legal Research & Writing
週1回の必修。12、3人のクラスに分かれて、それぞれ別の先生が担当(私のクラスは家族法が専門の弁護士)。課題は多い。正直楽しくてしょうがないという性質の授業ではないと思うが、前向きに考えれば、他はひたすら大量の文献を読むという授業ばかりの中で、毎週なんらかの作業をするというのは悪くない気がする(と、自分に言い聞かせる)。引用(citation)の仕方など、実務で役に立つし。


Contracts (Prof. Farnsworth)
週3回で、毎回大量の判例を読むが、コンパクトにまとまった先生の手作りの教材を使うので、予習は想像されるほどはたいへんではない。むしろ、この教材には事実だけしか書いてなかったりするので、論点や判旨を理解するのがたいへんだったりする。論点や判旨は、例のソクラテスメソッドで授業の中で議論されるのだが、なにしろこの先生は早口で有名なのである。しかし、私の感覚では、早口もさることながら、独特の発音が聞き取りにくい真の原因な気がする。ちょっとおおげさに言うと、"negligence"は「ねぎゅりじゅわ」、"common law"は「かまらー」といった塩梅である。アメリカ人の典型的な発音のひとつと言えばそのとおりなのだが、私はディープなアメリカ英語、苦手なのだ。最初授業に出た時は本当に言ってることがわからず真剣に悩んだが、何週間か聞いたらさすがに少し言ってることがわかるようになってきた。なにごとも慣れですね。というわけで、この授業は法律ではなく英語の勉強のために履修することにしたのだが、最近貨幣単位がギニーとかシリングとかになってる古い判例を読むことに、ひそかにマニアックな喜びを覚えるようになってきた(ちゃんと理解はしてないと思うが)。ちなみに、この先生のファーストネームはWardで、同じ契約法の大家E. Allan Farnsworth教授とは別人である。前者のFarnsworth教授は後者のFarnsworth教授のことを"dead one"とか言ってたので、たぶん親戚関係ではないと思う。


次回に続きます。。。