油断してたら、前回の記事からえらい時間が経ってしまいました。日本は忙しいですね、ふー。
そして、その間に、中国領チベットでは、たいへんなことになっています。どのような理由があるにせよ、人々が傷つき殺されるのを見るのは耐え難いことであり、心を痛めるばかりです。
今回私が行ったインド北東部のブッダガヤという街も、地理的に、そしてなにより仏教の聖地として、チベットと深い結びつきがある場所でした。今から2500年ほど前、この街の菩提樹の下で、ブッダが悟りを開いたのです。
その菩提樹のそばには7世紀ごろ大きな塔(マハーボーディ寺院)が建てられました。現在は世界遺産となっており、周辺も整備されていますが、インド人の友人の言うには、子供のころはそばにふつうに家があり彼も住んでいたそうです。
そして、これがその菩提樹です。
寺院の周りは土足禁止で、ネパール、タイ、台湾などから来たと思われる巡礼者が、熱心に祈りを捧げています。
ここで、なんとも衝撃的な話を聞きました。
この菩提樹の根元にブッダが座禅を組んだ場所があり、もちろん極めて神聖な場所な場所とされており、現在はご覧のとおり頑丈な柵に覆われています。
しかし、10年ほど前まではこの柵はなかったそうです。そして、柵ができた理由というのが、なんと例の日本の某有名カルト指導者かつテロリストが、その場所に入り込んで座禅を組み写真を撮らせたから、ということでした。
しかも、カルト指導者かつテロリストは、すぐに警備員に制止されましたが、「盲目だからわからずに座ってしまった。」と弁解したそうです。
最悪です。
後日たまたま寺院の警備員の人と夕食を食べる機会があり、その席で「奴は実は盲目ではなかった。」という話をしたら、その事実はブッダガヤまでは伝わってなかったらしく、本気で怒っていました。話さなきゃよかったかも。。。
これは、寺院の横にある、ブッダが沐浴をした池。インド人の友人が子どものころは、この池で泳いでいたそうです。
ブッダガヤの街中には、まるで大使館のような感じで、各仏教国の寺院もあります。これは、早朝の中国(台湾?)寺。黒人や白人の方もいます。
日本寺もあります。各宗派が共同で設立、運営しているそうです。ちょっと見にくいけど、右側の柱に「印度山日本寺」と書いてあります。
ブッダガヤからこの橋を渡り、王女がブッダに乳粥を捧げたと言い伝えられる、スジャータ村(日本人にはなじみ深い名前ですね)に向かいます。川は完全に干上がっており、歩いても渡れます。
渡ると、こんな感じ。ふだん田舎暮らしの私、田舎は落ち着きます。
これが言い伝えに残る場所、スジャータ村の寺院です。ブッダガヤから距離は近いのですが、狭く荒れた未舗装路を進まねばならず看板などもないので、ここまで来るのはけっこうたいへんです。徒歩は、やめた方がいいと思う。リキシャも、ムリ。道中店などもないので、行かれる方は必ず十分な水を確保してください。
寺院のわきで、小学校をやっていました(フィルムの状態が悪く残念)。ご覧のとおり、ありました、というより、やっていました、という感じです。設備とは裏腹にやっていることはかなり高度で、低学年ですが4ケタの足し算、引き算をやっています。
今回、小学校から大学までいくつか学校を見学する機会があったのですが、やはり考えさせられるものがありました。ひとつだけ、現地の先生などが言っていたことをご紹介したいと思います。インドでは、観光地でも街中でも、見るからに貧しい身なりの子ども(大人もだが)が物乞いにやっくる。彼らは実際貧しいのだが、だからといって安易にお金をあげてしまうと、学校に来ずに一日中物乞いをやるようになる。学校に来ないと、彼らの将来はなく、一生物乞いとして生きるしかなくなる。だから、かわいそうだと思っても安易にお金をあげないでほしい。気をつけなければいけないと思います。