興が乗ったので、昨日に引続きF1ネタを(だんだんなんのブログだかわかんなくなってきましたが、気にせず行きましょう)。
先ほどF1GPニュース(スカパーの番組)を観ていたら、川井ちゃんもライコネンのチャンピオン取消しはまずないだろうと言っていました。
ただ、その理由は、規則上BMWとウィリアムズを失格にしたとしても、その下を繰り上げないとすることもできるからだとか。
なるほどね。さすが川井ちゃん。
来年のF1カレンダーを見てびっくり。
なんでアメリカGPなくなっちゃうの!?!
シンガポールのナイトレースとバレンシアのストリートレースに気を取られて、完全に油断してました。
よりによって自分が行く年からなくなるとは。。。呪われてます。
気を取り直して、最近読んだ一冊をご紹介します。
タイトルは、「鈴木亜久里の冒険 ―走れ、F1ビジネス!!!」。
赤井邦彦の単行本を手に取るのは、本当に久々です。
本屋で平積みになっていて、奥付を見たら9月28日に出たばっかりだったので、即買いして一気に読みました。
内容についてはここであまり詳しく書かないほうがよいのだと思いますが、この本を読んで、つねづねトヨタやホンダにはなにか足りないと思っていたところの、その「なにか」が、わかったような気がしました。
ひとことで言えば、カリスマの不在。
今日明日の生活に困るような場合は別として、ある程度以上の専門性を持った仕事をしている人間は、単に収入のために働くのではないと思うのです。
それでもうんとものすごい収入だったら別かもしれませんが、多くの場合は、後世に名を残すとか、人に感謝されるとか、それぞれのモチベーションの要素があることでしょう。
こと組織の中での話をすると、カリスマの存在というのが大きいと思います。
この人はすごい、この人のためにやってあげたい、というのがないと、組織というのは、ある一線を超える力は発揮できないのではないでしょうか。
F1の世界では、チャップマン、ブラバム、ティレル、ジョーダン、デニス、ブリアトーレ、トッドと、思いつくままにあげても、枚挙にいとまがありません。
これは別にマネージメントでなくてもドライバーでもよくて、セナやミハエル・シューマッハが、その好例でした。
スーパーアグリには、それがあった。
だから、ここまで奇跡のような健闘ぶりを見せたのではないかと思うのです。
F1ファンとして素朴に残念なのですが、トヨタやホンダは、ドライバーは中堅どころ、マネージメントは日本式の人事異動で数年でいなくなっちゃったりして、どうしても「このチームは本当にレースに情熱を注いでいるのだろうか?真剣にチャンピオンになろうと思っているのだろうか?」という疑念を拭い去れません。
あまつさえ、トヨタなどは、「F1参戦の理由は、欧州でのマーケティング戦略上、若者への知名度をあげるためです。」などと、さらっとメディアに言ってしまったりしていますが、これではファンも盛りあがれません。
カリスマは、なによりも情熱、そして能力と、いくらかの人間性から作られるものだと思います。
鈴木亜久里が純粋にレースを愛しているということについて、疑いを持つ人は少ないでしょう。
ファンも、チームのスタッフも、そしておそらくドライバーも、ここに共感するのです。
トヨタやホンダには、このカリスマの存在が決定的に(そして構造的に)欠けている。だから、本来持っているはずの組織の力を十分発揮できず、成績も上向かず、ファンも盛りあがれない。そいうことなのではないでしょうか。
チームにとってもっとも重要なのは、言うまでもなく勝つことですよね。
別にメーカー直営にこだわらずに、ウィリアムズのトヨタ、アグリのホンダでよいではないですか、などと思ってしまったりなんかしたりして。
などと、思わず日経ビジネス的なことを考えてしまいましたが、この本そのものは、装丁に見え隠れするあわよくばベンチャー本コーナーにでも置いてもらおうという出版社の思惑とはうらはらに、組織を成功に導く秘訣みたいなことは基本的に書いてありませんので、F1に興味ない方にはおすすめできません(笑)。
でも、F1を、ビジネス的、社会的、政治的要素も含めて楽しんでいる方は、なかなか楽しめるのではないかと思います。