「一見(いちげん)さんお断り」
京都の祇園辺りの方は、この言葉に大いに聞き覚えがあるだろう。
…まぁ京都でなくとも、ちょっとオシャレなお店に足を運んだことがある人なら、たぶん知っている(ハズ)。
要は、「お、ちょっと入ってみようかな♪」なんて気軽にフラリと入れるようなお店じゃない―――
つまり、ちょっと高級なカンジのお店で、よく「フラリ」と入った人が言われる言葉。
「一見さん」とは、「紹介等もなく、初めて訪れるお客様」という意味。
どうやら、その京都は祇園周辺での格式ある料亭などでは、しきたりやお店の事情をよく知らないお客様をお店に入れることで、店本来の雰囲気が乱れ、普段通ってくれている馴染みのお客様に迷惑がかかってしまう…これを避けるために「一見さん」をお断りしているそうな。
「自分は遠いところから来た観光客だから…」というような、一種の「おねだり」もバッサリ切られるらしい(爆)
しかしながら逆に、馴染みになったお客様は心の底から手厚くおもてなしをするという、お店と客の対等感みたいなのが見て取れるような…
なんかこう、店も客も「プロ意識」っていうか
お互いを磨き合っているような…うまく説明できないけども(笑)
僕は、こういう文化が大好きだ。
…しかし。
これを救急現場での話で見ると、トンデモないことになってくる。
店と客をコチラの話に置き換えるなら、店は「病院」、客は「救急隊」だろう。
ではこの話。この高級料亭の文化に沿って、「店」と「客」を置き換えて…
さて、想像力豊かにハナシを進めていこうか。
――――――
救急隊、現場にて医療機関を選定中。 …と、近くに救急病院があることを確認(当たり前だが24時間体制)。
救急隊「お!○○病院、今受け入れ可能だって!さっそく連絡して向かおう!」
トゥルルルル… カチャ。
病院「はい、○○病院、救急受付です」
救急隊「あ、すいません、○○救急隊です!患者さんの受け入れの連絡なのですが…」
病院「わかりました。患者さんは、当病院は初診の方ですか?」
救急隊「(…?何か関係あんのかな?) …ちょっとお待ちください、確認します…」
…
救急隊「もしもし、どうやら初診のようですね」
病院「そうですか~… ウチ初診の患者さん無理なんですよね~」
救急隊「……え?」
病院「ですから、初めての患者さんは、受け入れられないんですよ~」
救急隊「…あのぅ、すいません、救急病院、ですよね?」
病院「はぁ、ですけど」
救急隊「…そしたら、救急で来る患者さんは、(受け入れは)無理なんでしょうか?」
病院「んー、すいません、この時間初診の人のカルテは作れないことになって
いるんですよ~。ていうのも、患者さんをイチから検査しなきゃ、何も判んな
いじ ゃないですか。それに、紹介状もないんですよねぇ?」
救急隊「それはお持ちじゃないようですけど…カルテって、そんな…え、マジで無理なんですか?」
病院「はぁ、無理ですねぇ」
救急隊「…スか。わかりました…」 …プツリ。
ツー、ツー、ツー…
――――――
はい、これがリアルな「一見さんお断り<救急編>」のほんの一部。
外出先で救急車を呼ばなきゃならないような状況に陥った時
ちょっと悪い意味でのカクゴが必要かもしれません。
ちなみに、救急車ではなく自分でタクシーか何かで直接病院へ行くと、時間外でも「ほぼ(※)」診察してくれます。(そういうことが医師法か何かで定められている、らしい)
(※)たまーに、「ウチじゃ診れないヨ!」なんて門前払い食らうこともあるようですケドね(爆)