2024年3月1日に没入体験ができるテーマパークとしてオープン…
2025年3月1日からはテーマパークの運営をやめ、劇場として方向転換…
2026年2月28日にその幕を閉じる…
イマーシブフォート東京は多くの熱烈なファンを生み出しましたが、非常に短命でした…
今回はその理由を多角的に分析していきたいと思います…
場所代が高かったというのは言い訳
イマーシブフォート東京をプロデュースした株式会社刀の公式発表によれば「本施設規模が過大」としており、分かりやすく言い換えれば場所代が高すぎたということになります。確かにあの馬鹿デカい建物の2〜3階の一部のエリアしか使用しておらず、その周りは一切の商業施設がありません。
ダイバーシティやアクアシティは歩けば行けますが、行って戻ってくるとなるとしんどい距離です…
これが池袋にあるナンジャタウンのように商業施設の一角にイマーシブフォートがあるとかならまた全然話が変わったと思います。
イマーシブフォートを目的とした人しか来ない場所にあり、多くの人の目に触れる機会がなかったのが敗因の1つでしょう…
SNSなどでの拡散や広告も見られましたが、あくまでもユーザーのニーズに基づいて広告が表示されているため、全くイマーシブコンテンツに関わりのない人達にはそもそもイマーシブフォートという場所の認知が浸透されてなかったのも事実…
メディアでの露出もありましたが、現代ではテレビを見る人も少なくなり、別の方向からのプロモーションが必要でした…
それらの詳しい要所は以下で紹介していきます。
まず運営に非がある
運営会社は株式会社コングレというところで株式会社刀が委託していました。ここはイベント会場や施設を運営している会社ですが、テーマパーク運営は初めてでした。
それもあって、運営の不慣れが露見…
主な点は以下です。
①SNSが活用できていなかった
テーマパーク時代はまだ動いてた方ではありますが、公式Xアカウントが頻繁に動いておらず、広告をバンバン流すスタイルでした。
また、ハッシュタグも「#イマーシブ・フォート東京」のように点がついており、検索する上でも点なしなのか点ありなのかが混同していました…
コンテンツ毎のハッシュタグも体験後の感想投稿キャンペーンに参加していれば分かるものの、最大限活用しきれてませんでした。
②リピート特典がヘビーユーザー向け
リピート特典のアイデアがライトユーザーとミドルユーザーを取り込むには弱かったです。
まず、ブロマイドの特典は時代遅れ…
ブロマイド集めるのはコアなファンくらいになってしまうため、一般ゲストからすればゴミに埋もれる確率が高い…
ブロマイドはランダム販売とかにした方がまだ良かったです。
リピート特典はキャラクターのグッズだったり、バックグラウンドが分かる小説などであれば回数を刻めば需要あったと思います。
一般ゲストは2回目行くというだけでも価値が高いので2回目特典や3回目特典を魅力あるものにすべきだったと思います。
グリーティング特典は良かったですが、もっと回数刻んでも良かったかと…
③物販が弱い
物販が売る気あるのかレベルでしたね…
パンフレットやフォトブック…キャラクターのアイテムなど…
いろいろアイデアは生まれたと思うのですが、謎のクマ(クマ人気にあやかったのか?)のグッズなど、正直センスが…
挙句の果てに閉店セールで30%引きでした…
もっとブロマイドとか出したらいろいろ売れたと思うんですけどね…
(あとあと、一部のキャストのみブロマイド出してましたが中途半端だった)
④フード展開も工夫できたはず
テーマパーク時代にあったレストランもリニューアル後は1店舗のみに…
しかもメニューの種類も少なく、かなり弱体化しました…
テーマパーク時代はメニュー数が豊富だったのですが、金額がかなり高かったです…
リニューアル後はビールを扱ってるのにおつまみがフライドポテトとカプレーゼしかありませんでした。
もっとコンテンツに合った世界観のフードを出しても良かったかも…
(のちにスイーツセットは販売されたがそれでは弱い)
花魁の世界観を再現した和食とかなら外国人ウケも良かっただろうし、今際のコラボカフェ的なフードを出しても良かったです…
また、ランダムでコースターをつけるなど、コラボカフェでよくあるような特典をつけても良かったのでは…
⑤劇場なのにキャスト未発表
テーマパーク時代はキャスト未発表の意図は分かります。
リニューアル後、劇場運営で固めたのであればキャスト公開をすべきでした…
入口の作品ビジュアルのとことかにキャストのネームプレート掲示するだけでも良かったんですけどねぇ…
それなら、今日は目当てのキャストさんが出演してるから参加しよう…ってなるのに…
キャスト発表しない劇場が今まであったでしょうか?
結局、テーマパークか劇場かハッキリしない運営でした。
⑥チケットシステムなど、抜け目が多い
運営が不慣れというのもあり、チケットなどのシステム面でも弱かったです。
例えば、ハロウィン当日のグリーティングイベントでは先着で整理券取得できるシステムでしたが、秒で終了…
運営が把握する需要と供給のバランスにズレがあり、それに見合った運用ができていませんでした。
グランドフィナーレ当日のチケット販売もカートに入れることはできるものの進めずエラーが発生するなど、度々システム面で批判がされてきましたね…
また、リピート特典のカウントを公式LINEで行うのも良くなかったです。
不正もできてしまいますし、公式のアナウンスが埋もれてしまうので公式LINEと別個で分けるか、購入履歴のマイページで管理できるようにするか等、やりようはあったはずです。
そういった感じで運営面での主なマイナス点はこんな感じ…
株式会社刀はあくまでもコンテンツを作るのには長けていますが、運営面はかなり批判されてきています。
他にはネスタリゾート神戸の1件も挙げられますね…
刀が参入して魅力的なコンテンツが導入された結果、予想以上の客入りに対応できず、何時間も待ち時間が発生…
クレームの嵐だったようです…
また、沖縄にできたジャングリアでも暑さの中、屋根がない待ち列など、ゲスト目線の配慮が足りてないことが分かります…
運営を度外視してるのも早期撤退の要因に思います。
今後の展開もこれらの運営面を見直さないと同じ運命を辿ってしまいそうです…
コンテンツ自体のクオリティ
コンテンツ自体は株式会社刀らしいハイクオリティなものとなっています。ただ、採算を取る気がないくらいにお金の掛け方がスゴイのです…
「真夜中の晩餐会」では洋館を作り上げるために豪華セットを組み上げています…
美術造形の暴力なくらいに大手テーマパークのようなクオリティ…
しかもキャストも1コンテンツに25人出演してるなど、人件費も比ではないのです…
一般的なイマーシブシアターは大体10人くらいのキャストが出演していることが多いですが、ここでは2倍以上…
スケールが違いすぎる結果、採算が取れない=赤字の進行を早めたのだと思います…
西武園ゆうえんちなどもそうですが、
一時的な集客力はあるものの採算度外視のコンテンツが特徴です。
それはゲスト目線ならば嬉しいことですが、運営目線だとそうではないですよね…
とにかく、株式会社刀のやり方としては「クオリティは徹底するけど儲かるかは知らない」というスタンスなのです…
サービス面でやりようはあった
沼にハマる人はハマっていましたがライトユーザーやミドルユーザーを呼び込む上で、様々な施策を打ち出すべきだったと思います。私がパッと思いついたものでは以下の2つです。
①期間限定イベントの開催
イマーシブフォートのコンテンツは基本的に常設なので急いで行く必要がありませんでした。
なので、「行きたいと思ってるがまだ行かなくてもいい」と考えてる方々も少なくありませんでした。
閉館が発表されてからのチケットがすぐ完売(コンテンツにもよるが)したのはその層の駆け込み需要もありますね…
今行かないと!という理由を作るためにも期間限定イベントの開催はすべきでした。
テーマパーク時代はイマハロというハロウィンイベントを開催し、入場料も破格の4800円でしたが、猛威をふるわず…
劇場型に変わってからは特にそういったイベントはなかったですね…
コンテンツ毎にアイデア次第でいろんな施策を考えることはできました。
例えば
■真夜中の晩餐会
・料理の変更(季節メニュー)
・普段撮影不可の場所の撮影可
■江戸花魁奇譚
・レアエンディングの確率アップもしくは固定
・季節限定の装飾
などなど…
サービス次第では全然工夫できたと思います。
閑散期とかは人が少なく、集客大丈夫かな…と思ってましたが、こういう施策があればまだ良かったかもしれません…
②VIPチケットの用意
チケットの種類が統一されてるのも良くありませんでした。
しかも、高額なコンテンツに限ってルートはランダム要素があり、ルート被りも起こってしまう始末…
他のイマーシブシアターや演劇ではVIPチケットなどを導入しているところが多いです。
例えば西武園ゆうえんちの「豪華列車はミステリーを乗せて」ではランダムブロマイド付きのチケットやスペシャルドリンク付きのチケットがありますね…
イマーシブフォートでもこのような券種を分けたり、VIPチケットを用意した方が良かったでしょう。
例えば
■真夜中の晩餐会
・封筒の色を選べる
・役名を選べる
・主要キャラと関わりのある役になる
■江戸花魁奇譚
・ルートが選べる
・キャラクターの前日譚小説がもらえる
などなど…
ルートガチャにしては高い料金…
VIPチケットのような、ルートがある程度選択できるサービスが用意されていれば需要は非常にあったと思います。
今後に期待できるのか否か
関係者のポストなどを見ると、別の場所での開催を検討しているような内容が…確かに箱を変えればいくらでも開催できそうではありますし、西武園ゆうえんちではロングラン公演にまでなっています。
そのような場所さえあれば全然実現できそうだなと…
全く同じコンテンツの移設となるか、別のコンテンツとなるか…
ジャングリアの1件からマイナスイメージがついてしまった株式会社刀…
ジャングリアの立て直しも大変そうではありますが、今後どのような展開をしていくのでしょうか…
不安もありますが、期待の方を大きく持ちたいですね…
先にあげた改善点を改善できないことには…
おわりに
イマーシブフォート東京は残念な結果に終わってしまいました…これが上手くいけば海外展開も考えていたようでそれは白紙になったことでしょう…
ジャングリアも残念な結果にはなってほしくないのですが…
元々はイマーシブフォート東京も短期間での営業予定だったみたいです。
3年以上は考えてたらしいのですが、早めに見限って2年での閉館となりました…
あらかじめ期間を告知しておいて、好評につき延長!とでもすればまだ良かったかも…
一方、コンテンツの移設?が囁かれてますが、江戸花魁奇譚に関しては太秦映画村や日光江戸村など、移設できそうな場所はありそう…
週末だけの開催とかなら現実的と言いますか…
東リベもある程度は形を変えてでの開催ができなくはないでしょう…
シャーロックや晩餐会はロケーションに依存するところが多くて厳しいかも…
そこはどう出るか、見ものということで…
全く新しいイマーシブコンテンツかもしれませんしね…
まぁコンテンツに関してはかなり批判意見も書いてきましたが、結論好きでした。
映画とかでもあるじゃないですか…
ストーリーとか全然なくても頭空っぽにして観れるやつ…
某アクション映画とか某ホラー映画とか…
イマーシブフォートのコンテンツはそんな感じで好きだったなぁ
そんな中でも尽力してくれたイマーシブフォートの関係者の方々には感謝しています。
ありがとう。
イマーシブフォート東京…
またどこかで…

