これはクトゥルフシナリオ【檻を抜けろ】です。自卓でしか回す予定が無いシナリオだったので読みにくい文もあると思いますが、何卒ご了承をお願いします。
このシナリオを使用した動画の作成及び投稿はご自由にどうぞ。許可を取る必要はありません。ただし、シナリオ作成者を騙る行為はご遠慮ください
シナリオ
●ギミック
本シナリオでは探索者はニャルラトホテプが整えた舞台で滑稽に踊ることになる。もしニャルラトホテプを落胆させたり興醒めさせるようなことがあれば、〈ニャルラトホテプポイント(以下NPと呼称)〉を足してゆく。例えば建物を破壊したり早々に下山を試みるようなことがあれば、(KPの裁量で)一回1~3点を限度に足す。逆に面白いことをすれば減らしてもいいだろう。これはエンディングに影響する隠しステータスなので留意されたし。隠しステータスがあることはPLに教えておいてもいいかもしれない
●導入
1月下旬、探索者は明慧寺(みょうえいじ)という山寺に行くために登山することになる。探偵は依頼を受けて、作家や記者はネタの足しに、その他の探索者は…好奇心を刺激されて。
〈登攀〉を取得しているPCがいるなら、登山ガイドだということにしてもいいだろう。
〇妙慧寺の噂
H県にある妙慧寺については様々な噂がある。行った人は戻ってこない。行ったら頭がよくなる。別人のようになって戻ってくる。隠れ家に優れている。どんなものでもいいので、職業に応じた噂が流れていることにしておく。この時にほかの探索者と噂が矛盾していても構わない
その際に、下調べや依頼者情報で明慧寺がある山の麓に岐護(きご)村という村があることと、そこへのアクセスが分かる
また警察や探偵、記者などの調べもののプロがいるなら、実際に岐護の周辺で観光客の失踪事件が半年に一人のペースで起きていたこと、ここ2年は失踪者がいないことを知っているかもしれない
○<非公開情報>「噂の真相」
明慧寺は山中に棲んでいたショゴスを祀り、定期的に生贄の儀式を執り行うことでこれを封印するための施設である。生贄には伝統的に地元の人間ではない流れ者がなったが、天涯孤独の流れ者が居なくなった現代では噂を流すことで生贄候補を集めている。しかしあまりに多くの外部の人間が来すぎると正体がばれ、危険になるのであくまで噂程度にとどめておき、物好きのみが来るようにしてある。物好きはたいてい少人数で来るからである。ショゴスが解き放たれたとき最も被害を被るのは岐護の人間なので、彼らはこの行為を黙認していた。
〇岐護村
閑散とした村。空は曇っている。登山客向けに「観光センター」という看板のかかった古い建物がある。〈郷土史の本〉、登山道の地図などがまとめられている。一冊300円。観光センターには他にも登山用のストックやライトなどの道具の貸し出しもある
村民に話しかけても非常によそよそしい態度を取られる。〈心理学〉で何か隠しているような印象を受ける
適当なタイミングで、天気予報など流して明日から雪が大降りになることを知らせ、今日中に登りきるならそろそろ出発する必要があることを仄めかす
〇〈郷土史の本〉
かつてこの地域の森には『悪魔』と呼ばれる存在が闊歩していた。400年前、この土地を偶然に通り過ぎた修行僧が天竺直伝の経文の力で封印して以降、かの一族は代々明慧寺の指導者を務めてきた。この血筋は百年ほど前には絶え、それ以降は寺の中の実力者が先代に指名されて地位を受け継ぐようになっている。
〇登山道
山の中腹あたりまで登ったところで雪が降り始める。時間を追うごとに雪は強くなり、5分もすれば視界は真っ白になる。 燃える三眼と黒翼を備えた異形の姿を幻視した探索者は失神してしまう。
〇明慧寺
探索者はDEX順に目覚める。〈マップ公開〉そこはいくつかの古い木造の建物が境内を囲んでいる寺のような場所で、門の内側にかかった看板からこの場所が明慧寺であるとわかる。建物のさらに外側には石造りの塀があり、探索者達は人気のない境内の中央に寝転がっている。持ち物はほとんどそのままだが、失神したとき手に持っていたライトやストックは持っていない。
ここで探索者達は周りが非常に暑いことに気がつく。辺りを見回すとあたかも真夏であるように感じる。
非現実の存在に触れた探索者に〈0/1のSANチェック〉
HO〈マップ(明慧寺 )〉
〇〈非公開情報〉寺の結界
明慧寺の機能の一つである。有事の際にショゴスを里に放さないように発動する。発動条件は寺から監視者がいなくなること、何らかの形で敷地内にMPが20補給されること。効果はこの寺を外界から完全に遮断すること。「完全に遮断」された明慧寺は内外の出入りが(〈POW12との対抗ロール〉に成功しないと)不可能になる上に、発動条件を満たした瞬間の明慧寺を保存して次の訪問者が監視を引き継ぐまで敷地内の時間が止まる
〇〈非公開情報〉研究者
研究者6人と魔術師1人。二年前に明慧寺を襲撃した。彼らはヨグ=ソトースを崇拝していて、時間遡行を可能にするアーティファクトを作ろうとしていたが本国を追われることとなった。拠点を必要とする彼らは日本まで「暗黒のファラオ」に導かれて寺を奪った。二年前から生贄が出ていないのは寺の支配者が変わったからである。明慧寺を時間遡行のアーティファクトの研究所として利用したが、半年前(夏)にティンダロスの猟犬に襲撃され全滅した。
●探索
明慧寺マップにおいて名前がついている境内・山門・外周・庫裏(くり)・プレハブ・書庫・講堂・金堂・鐘楼について探索が可能
〇〈非公開情報〉施錠
鍵は全部ニャルラトホテプがかけたもの。シナリオ的に本来内側からしか閉められない場所の鍵が外から開けられる理由である。整合性を気にするPLがいた時のために追記
〇境内
一面砂利で覆われた地面。正面には樹齢数百年はありそうな桐の木が生えていて、右手には文字の彫られた一際大きい石板が伏せてある。寺の建物を眺めると違和感を覚えるだろう。
建物に〈目星〉で監視カメラがあちこちに仕掛けられているのが分かる。境内全体に〈目星〉で、あちこちに空薬莢や先の潰れた銃弾が見つかる
石板には「安らかに眠れ」と彫ってある
〈登攀〉で木登りできる。木の上から外を見ると、真夏の様子である。7月下旬頃だろうか
〇山門
建てられてから数百年は経っている木造の門。内側から閂がかかっていて、直径1cm程の穴が十個ほど空いている。
〈目星〉で門の損傷具合に比べて閂が異様に新しいことが分かる。精々二年くらいだろう。
〈STR6との対抗ロール〉で閂を外し開門できる
〇外周
山門を開くことで開放される。
山門から一歩出ると辺りは冬の様子であり、ひらひらと粉雪が舞っている。風で雪が門をくぐって吹き込むと、雪は降りながら溶けてしまう。意識を失っている間に通ったであろう登山道は雪に覆われていて、下山は困難であることを直感させる。塀の外には雪が積もっているものの、塀から2,3m離れた森に入らない限り探索が可能である。
〈目星〉成功者は登山道に足跡の類が一切ないことが分かる
〈聞き耳〉成功者は悪臭を感じ取るが、森に行っても見つけることはできない
〇〈非公開情報〉北に潜むもの
寺の最北に位置する本堂から行ける地下牢にショゴスが封印されている。地下牢といっても完全に密閉されているわけではなく、地上との換気口があり匂いはそこから漏れている。換気口は小さく複数存在するため、匂いの方向は分からないし換気口は見つからない。
〇プレハブ
外周に出ることで開放される。屋根には雪が積もっている。部屋は薄暗く、スイッチを押すと蛍光灯がつく。部屋の中心には引き出しのあるデスクがあり、PCが置かれている。PCの隣には用途不明の機材が多数ある。デスクの奥から何か機械が駆動するような重低音が聞こえる。
部屋全体に〈目星〉で〈鐘楼の鍵〉が見つかる
デスクの引き出しには〈修行僧の書簡〉がある
〈コンピュータ〉または〈電子工学〉で、機材の一つが監視カメラの親機であるとわかる。既に監視カメラを発見している場合は自動成功でよい。さらに技能成功で、その監視カメラがいずれも内側、特に本堂を監視するように配置されていることが分かる。また、過去の監視カメラの映像を確認できる。もっとも古いのは二年前の映像で、カメラは地面に掘った穴を埋め戻す9人の人をとらえている。〈目星の半分〉成功で穴の中に人間のようなものが入っていることに気づくだろう
〈図書館〉〈コンピュータ〉成功で(探索者にとっては)半年前の日付がついている映像を発見する。この日以降の映像は砂嵐である
「このカメラが設置されていたのは研究室のようだ。白衣を着た研究員が虹色に輝く鏡のようなものを覗き込んでいる。その直後、彼の背後──部屋の隅から煙が上がり、太く曲がりくねって伸びた注射針のような舌を伸ばし、原形質に似た青みがかった脳漿のようなものを全身から滴らせた...強いて言うなら狼めいたものが現れた」
この映像を見たものは非現実の存在に触れ〈1D3/1D6のSANチェック〉を行う。(映像のため半減)〈クトゥルフ神話技能+1%〉
〈目星〉成功で自家発電機を発見する。防音ディーゼル式で、145cm×65cm×100cm。ガソリンは満タンで、丸一日は明慧寺の電気を使う設備が使用可能であることが見て取れる
〇修行僧の書簡
2通保存されていて、筆跡からそれぞれ別人が記したものであることが分かる
「初代が『悪魔』めをこの地に封印してより四百年が経つという。拙僧に務まるかは分からぬが次代の『筆頭封印者』の役を受けようと思う。元々純粋な仏道修行のために入山した身だが、この“檻の中の檻”を見張り、抜け出すものを在るべきところに導くのもまた修行である」
「もし封印者が総出で寺を留守にしなければならないときは必ず結界を起動すること。結界の起点である鐘楼に生贄をささげれば一日は結界が維持される」
〇庫裏
2部屋に分かれていて、襖で仕切られている
薄暗い部屋の壁の一面は隣の部屋に通じる襖になっていて、もう一面は台所になっている。床には布団が敷いてあり、その上に白衣を着た死体二人がある。生活感のある部屋にその異物が存在することはあなたの正気を蝕むだろう。〈0/1D3のSANチェック〉二人とも銃を持っているが撃ち尽くされている。壁にかかった時計は止まっている。入口の近くにスイッチがあり、押すと蛍光灯がつく
死体に〈目星〉〈医学〉で遺体の損傷の割にほとんど出血していないこと、死後数時間も経っていないことが分かる
部屋全体に〈目星〉で青っぽい膿のようなものが壁に付着している事が分かる
台所には武器になるものがあってもよい
襖を開けて奥の部屋に入ると正面にヨグ=ソトースの壁画がある。〈1D3/1D10のSANチェック〉を行う。〈クトゥルフ神話技能〉に+5%追加。〈目星〉で〈書庫の鍵〉が手に入る
「その扉を開けると祭壇がある。祭壇の上には様々な祭器がある。そして正面にはヨグ=ソトースと表記された文字の上に一つ一つが太陽のように強烈な光を放ち、絶えず形や大きさを変える玉虫色の球体の集積物の壁画がある。」
〇書庫
施錠されている。窓はなく、薄暗い。入口近くにスイッチがあり、押すと蛍光灯がつく。和綴じの経であろう紙束が床などにどっさり放置されていたりと整理整頓されているとは言い難い。埃をかぶっていることから、ここ数年はこの経本を使っていないことがみてとれる。
〈図書館〉成功で、比較的被った埃が少ない薄めの経本のようなものを見つけられる。外見こそ経のようだが、意味のない図形の羅列にしか見えない。
書かれている内容は理解できないが、この本を読んだ探索者は奇妙な感覚に襲われる。
ページデザインによるものだろうか。まるで思考が人為的に弄られているようなおぞましい感覚。
この寺に滞在することに対する強い使命感のようなものがこの本を読むにつれて自分の意志に反して湧き上がってくる。
唐突に湧き上がる衝動に抗う苦痛と不快感は貴方の正気を蝕むだろう〈1/1D3のSANチェック〉
〈目星〉成功で〈講堂の鍵〉を発見する
〇講堂
施錠されている。元々は説教や講和をしたり禅堂としても使われていたであろう、板張りの床の建物。天井から蛍光灯を吊るし、理科用実験台を並べた現在の内装は、カメラで見た映像と一致する。6人分の席がある机には研究資料と思われる紙束やノート、工具などが雑多に置かれている。室内には4人の死体が倒れていて、庫裏と同様に死体に〈目星〉〈医学〉で遺体の損傷の割にほとんど出血していないこと、死後数時間も経っていないことが分かる。一日という短期間にこれほどの死に触れた経験はあなたの正気を削るだろう〈1/1D4のSANチェック〉目星の効果で〈金堂の鍵〉を手に入れる
部屋全体に〈目星〉で青っぽい膿のようなものが壁に付着している事が分かる
机に〈目星〉で何かの図面のようなものを見つける。
図面の裏には走り書きがある
「『門』によって運ばれた目に見えないものは、鏡面を通じてこの世界で使える形に修復される。」
HO〈何かの図面のようなもの〉
これとは別にもう一つ引き出しのある一人用の机がある。机の上には〈魔術師の日記〉がある。表紙に2017と書かれている大学ノート。
引き出しには〈注釈本〉が入っている。毛筆で書かれた、経本のような外見
〇魔術師の日記
一年分という厖大な量の記録なので、かいつまんで読むためには〈図書館〉が必要
2017年7月1日
政府に去年のテロへの我々の関与が露見してしまった。魔術を学んだといっても私は生身の人間だ。撃たれれば死ぬし、そう簡単に警察を振り切れるものでもない。計画を達成するには、別の安全な拠点が必要だ。
2017年8月13日
いよいよ警察にアジトが割れるが、行方を追えなくすれば、あの無能どもに私を見つける術はあるまい。明日から逃避行だ。一日一回我々の神に祈りをささげるのもままならなくなるだろう。悲しいので今日は二回祈った。Amen
2017年10月20日
街に出ていたら、褐色イケメンに声をかけられた。警察かと思ったがどうも違うらしい。私の名前を知っていたのであいつも魔術師なのかもしれない。名を問うと、「暗黒のファラオ」と宣った。今にして思えばただのアル中かジャンキーだったかもしれん。
2017年10月21日
暗黒のファラオは占い師だったらしい。試しに占って貰ったらH県の明慧寺に潜むよう助言された。とりあえずH県に行ってやろうと思う
2017年10月30日
“虹色の鏡”を実現するためには無人でMPを補給する必要がある。私の『門の創造』を改良することで対応しようと思う。何、超える軸を一つ増やすだけの話だ。
2017年11月1日
たくさん殺してしまったが、明慧寺を手中に収めることが出来た。拠点としては申し分ない。ちょっと臭いがな...
2017年11月8日
寺の連中の埋葬が終わった。書庫を漁って分かったのだが、彼らにも手紙の習慣があったようだ。一通り読んでプレハブにでもしまっておこう
あいつらが最後まで守っていた建物だが、ろくに装飾もされてない。本当にここがこの寺の心臓部なのか?
2017年11月10日
まさか金堂があんなものの巣になっていたとは…次回も『門の創造』で逃げられるとは限らない。対処法を探しておこう。寺の連中だって無為無策であんなのと相対していた訳ではあるまい。しかし...隠し物にはよさそうだ。
〇〈注釈本〉
経本のような外見。読もうとすれば普通に読むことができる。『最重要の経本』なる本の存在を前提としており、そこに使われる文字の読み方がまとめられている
以下、冒頭の文
これは『最重要経本』の注釈本である。通常ならば教育時には解説者がつくことになっているが、有事の際のためにこれを記す。我々の使命は『悪魔』を檻から出さないことである。『最重要経本』には檻を抜けた悪魔を再び檻に封印する力がある(以下略)
〇金堂
施錠されている。窓も明かりもない暗い室内。板張りの床に積もった埃がこの部屋に人が入るのは数年ぶりだと探索者に告げているだろう。
正面には何かの木像らしきものが安置されているものの部屋全体の装飾などは乏しく、宗教的建築物としての価値はほとんどないことがみてとれる。
〈目星〉で、木像にはずらしてから元の位置に戻したような形跡があることがわかる。失敗でも、木像の内部には空洞があるのではないかと感じる。〈STR8との対抗ロール〉成功で木像をどけて地下牢を開放できる
〇地下牢
木像をずらすと開放される。
木像をずらすと、そこには地下に続く梯子があった。穴の中を照らしてみても、底まで光が届くことはなく、梯子はかなり下まで続いていることが分かる。湿った悪臭を帯びた空気が穴の奥から吹き上がっているようで、嫌な汗が背中を伝うかもしれない。
梯子を降り始めると、錆びた金属のギシギシという音が狭い穴の中に響く。この梯子が折れるのではないか、そういう不安が脳裏をよぎるだろう。しかも梯子はどこまでも続くかのように長い。ここで〈聞き耳〉成功者は「鳴き声のようなもの、現実には存在しなさそうな奇妙な耳障り」を聞く。20mは降りただろうか、突然梯子が終わったかと思うと、すぐ下に石畳があることに気づく。
「梯子を降りきると、そこに広がるのはそこそこの広さを持った石造りの地下室だった。しかし、探索者がこの空間を広いと感じることはないだろう。いくつもの換気口から差し込む光の筋がスポットライトのようにそこに居るものを照らしていた。その身体は原形質の小胞で出来た不定形の塊であり身体全体が微光を発していた。認識しないことのできない悪臭を放つそれは部屋に入ってきた探索者を歓迎するかのように腕に似せた器官をするりと伸ばしてきた」
〈1D6/1D20のSANチェック〉
ショゴスの後方には〈エイボンの書〉〈ネクロノミコン〉〈門の創造ver2.0〉を抱えた死体が倒れている
ショゴス封印の経を使用する場合〈母国語ロール〉4回連続成功。複数人いる場合は1ラウンドに複数回振っていい
ショゴスに勝利すると〈塔の鍵〉が手に入る
〇門の創造ver2.0
表紙には『門の創造ver2.0』という表題の他に、第2版と書かれている。初見なら〈0/1D3のSANチェック〉
以下、冊子の内容
この冊子は『門の創造』という魔術が存在することを前提に書かれている。
従来の『門の創造』では平面に魔法陣を書いて詠唱しなければ発動しないなど手間が多く、応用が効かなかった。そこで、“虹色の鏡”開発の過程でこれを無人化・自動化することにした。この魔導書は、始めに門の創造ver2.0を起動さえすれば、半永久的に門の先からMPを自給して門を開き続ける。この魔術を使用することで物理的実体による門の通行は不可能になるが、時空を超えてMPをやりとり出来るようになる。“虹色の鏡”開発において最も重要な小道具である。
〇ショゴス
STR 18 CON 12 SIZ 5
DEX 05 INT 35 POW 50
HP 21 DB +1D6 装甲なし
近接戦闘 70% DBのダメージを与えるか、飲みこみを行う
回避 8%
飲みこみ:飲み込まれた状態でSTR対抗ロールを行い、失敗すると死ぬ
〇鐘楼
施錠されている。正八角形の断面を持つ高さ4mほどの塔。扉を開けると梯子で上に登ることができる。一階の床には八角形を利用した魔法陣のようなものが描かれていて、上ると鐘の下に木の箱が落ちている。
〈目星〉で上階の床は微かに血に濡れていることがわかる。
木箱は乱雑に置かれており、木箱を開けると布に包まれた大きいボビンのようなものがある。布越しにもボビンの片方の面が虹色の輝きを放っていることが分かる。布には血文字で『覗くな』と書かれている
もしここで布を解いて虹色の鏡を覗くと、ティンダロスの猟犬との戦闘に入る〈1D3/1D20のSANチェック〉
この戦闘はほぼ自動敗北である。もし倒してしまったら2体目でも何でも出して是が非でも探索者を仕留めよう
〇ティンダロスの猟犬
STR 80 CON 150 SIZ 85
DEX 50 INT 85 POW 120
HP 23 DB +1D6 MP 24
近接戦闘 90% 1D6+DB+膿(2D6/ラウンド)
舌 90% 3D6のPOWを永久的に喪失
回避 26%
装甲 2 毎ラウンドHP回復 4
〇鏡を割る
鏡の中から『門の創造ver2.0』と題された冊子が落ちる。初見なら〈0/1D3のSANチェック〉
鏡を割った瞬間、先程までの酷暑が嘘のように涼しくなる。直に涼しいなどという領域を超え、探索者にとっては懐かしい冬の寒さが訪れる。外を見れば雪が降っていて、みるみる境内に積もっていく。
ここで〈ニャルラトホテプポイント〉を計上する
〇下山
下山には以下の処理を要する
①〈経本〉によって与えられた使命感を断ち切る〈POW8との対抗ロール〉
〈経本〉を読んだPCのみ
②結界を抜ける〈POW12との対抗ロール〉
全員成功する必要がある。鏡を割って結界が破れた場合は不要
③雪で埋まった登山道を見つけ出す〈目星〉
一人成功で良い。
④雪中下山の成否を決める〈登攀〉
一人成功で良い
下山失敗した場合は雪の中ということで一点ダメージを与えて、失敗したもののみ再度判定。
●エンディング
エンディングの分岐は以下の三点である。
・ショゴスを封印したか倒したか敗北したか
・“虹色の鏡”を覗いたか覗かずに割ったか
・NPが10点を超えたか
エンディング名は参考までに…
〇ルートA 風来坊
ショゴスを倒し、“虹色の鏡”を覗かず、NPが10点未満
明慧寺はその役割を終えた。既に封印すべきものはないし、時空を超える追跡者も存在しない。岐護村が都市伝説として人々の口の端に登ることもめっきりなくなるだろう。しかし完全に安全になった山の中で、一人の登山者がこれまで開発できなかった位置に温泉が湧いているのを見つける。岐護村は一躍温泉地として有名になるだろう。探索者はそんな岐護村の噂を、風の噂で聞いたかもしれない
Happy End
〇ルートB 千之貌
NPが10点以上
他のどの条件よりも優先される。シナリオクリア後、PCは岐護村に向かう前夜に戻る。夢にしてはあまりに克明な記憶に混乱していると、いつしか褐色の美男子が部屋の隅に立っている。「せっかく私が楽しめるように舞台を用意したというのに、君は演目を台無しにした。」と彼が告げると、みるみる自在に伸縮する触腕や鉤爪を備えた不定形の肉の塊と顔のない円錐形の頭部を持った姿に変貌する。
キャラロスト
Bad End
〇ルートC 伽藍堂
ショゴスを封印し、“虹色の鏡”を覗かず、NPが10点未満
明慧寺はこれからもショゴスを封印し続ける。うっかり経本を読んでしまった次の登山者がこれからの明慧寺の役割を担うであろう
数年後、また岐護村の周辺で失踪者が出始めるという噂を聞くかもしれない
True End
〇ルートD 失踪者
ショゴスに敗北、または“虹色の鏡”を覗いてティンダロスの猟犬との交戦などによって死亡した場合
キャラロスト
Bad End
〇ルートF 脱走者
ショゴスを倒さずに鏡を割る
鏡を割ったとたん、どこからか「外の檻には鏡が一つ割れば内より破られる」と声が聞こえ、悪臭が強くなる。金堂より完全体のショゴスが現れ、戦闘開始。
〇ルートF
その他
KPの裁量におまかせ!