韮山反射炉を見学する

 

 朝7時過ぎにホテルをチェックアウトした。いいホテルだった。帰路に就く前に

1か所寄り道をしたい場所がある。沼津からひと駅、三島で下車。

 

 ちなみに今回の切符は津田沼→原と沼津→新検見川の切符を使っている。地元

鎌ヶ谷市にはJRの駅がないので、JRで遠出する時は船橋・津田沼・松戸・柏の

いずれかから乗る事になる。津田沼・沼津間は153.9キロで2640円。160キロまで

同額なので、あと6.1キロ余っている。そこで運賃が上がらない範囲で少し先の

駅(この場合行きは原・帰りは新検見川)まで買うことにより行きの沼津・帰りの

津田沼が途中下車扱いになり切符を手元に残すことが出来る。

 

 JRの乗車券は基本的に101キロを超えれば途中下車が可能になる。ただし東京

近郊区間のみの場合は途中下車不可。この範囲が昔よりかなり拡大していて伊東・

松本・水上・黒磯・浪江とかなり遠方まで含まれる。この範囲内はどんなに長距離

でも途中下車できないので不便である。

 

 ただし途中下車するための工夫もある。例えば熱海に行く場合、ひと駅先の

函南まで買えば近郊区間からはみ出すので途中下車が出来る。途中の大船や小田原

あたりで寄り道しながら熱海に向かう事が可能になる。例えば甲府に行くなら

身延線の金手まで買うと、相模湖・大月・塩山あたりで途中下車しながらのんびり

向かうことが出来る。紙の切符にはこういうメリットもあるので、スイカ・パスモに

頼り過ぎず長距離の乗車は出来るだけ紙の切符を利用することをお勧めしたい。

 

 三島で一旦改札を出て、伊豆箱根鉄道駿豆線の乗り場に向かう。1100円のフリー

切符がある。今回はヘッドマークデザインのキーホルダー付きの限定品(1500円)が

あったのでそれを選ぶ。ちょうどYOHANE TRAINが来たのでそれに乗り、伊豆長岡

で下車。

 

 

 

 駅から30分程歩いて韮山反射炉に行く。富士山は今日もくっきり見えている。

韮山反射炉は明治日本の産業革命遺産として世界遺産に登録されている。

 入場するとまずガイダンスセンターで映像と展示による説明を受けてから実物に

向かうようになっている。

 

 黒船が来航して外国の脅威を感じた幕府が大砲などを鋳造するために建てられた。

炉の奥に鉄製品の原料となる銑鉄を並べて、その手前側で火を焚く。炉の内部は

ドーム状になっており、そこに熱が反射することにより効率よく銑鉄が熱せられる。

溶けた鉄は奥に向かって作られた下り勾配の溝を流れ、炉の先に設えられた型に

流れ込む。これを冷やして大砲に仕上げていた。

 

 世界遺産と聞けばどうしても期待が大きくなってしまうが、ガイダンスセンターを

別にすれば煙突状の反射炉が建つのみ。歴史的な意義、重要性は分かるけれど、

法隆寺や姫路城などの有名どころと異なり期待外れに感じる人がいるかもしれない。

 

 

 

 

 伊豆長岡駅に戻った。フリー切符を活用して終点の修善寺まで乗る。駅名の

由来の修善寺は駅から遠いので行くのはやめて折り返しの列車で三島に戻った。

 

伊豆箱根鉄道駿豆線の車両いろいろ

 

 伊豆箱根鉄道駿豆線の車両はバラエティーに富んでいる。通常の塗色以外に

西武鉄道の黄色、緑の復刻塗装、HAPPY PARTY TRAIN、YOHANE TRAINがある。

座席もロングシート、ボックスシート、転換クロスシートと様々である。

 

 

 

 

 三島駅に戻った。あとは東海道本線で帰るだけである。寒かったけれど、天候に

恵まれて良い旅が出来た。とりわけ富士山をしっかりと見ることが出来て良かった。