先日部屋の整理をしていたら小学校の卒業アルバムが出て来たので久しぶりに

ページをめくってみた。すると大勢の集合写真でも教室で授業中のスナップでも、

多くの児童が体操服で写っている事に気が付く。

 思い返してみれば、当時は体操服で登下校したり体育の無い日でも一日中

体操服で過ごす児童が多かった。ありふれた市立の小学校で制服などは無く

服装は自由だったが、体操服が制服代わり、あるいは普段着として活用されて

いた昭和の時代である。

 

 あれは確か、4年生の時だったと思う。体操服のモデルチェンジがあった。

とは言えある日を境に一斉に切り替わるのではなく、買い替えた子から徐々に

新型に変わっていく緩いやり方である。旧型は白い半袖シャツに紺色の短パン。

男女共通のデザインであった。この短パンが伸縮性の無い生地ではき心地が

悪かったのを覚えている。そこに1人2人と新型を着た子が現れる。私のいた

クラスでは最初の何人かは女子ばかりだったのだと思う。新型のデザインは半袖

シャツの丸首と袖口に紺のラインが配されて洒落た感じ。下は昭和から平成初期

まで大流行したブルマー。紺色である。私はこの時初めてブルマーという物を

目にしたのである。この時私は大きな勘違いをしていたのだがそれに気付くのは

もう少し後の事になる。

 

 旧型が男女共通のデザインだった事と、男子が新型を着ているのを見る機会が

なかなか無かった事もあり、ブルマーが女物だと知らなかった私は、これからは

男女共にブルマーをはく事になるのだと思い込んでいたのである。ところが後日

母が買って来たのは伸縮性のある生地に改良されてはいるものの何の変哲もない

短パンで、私はそれを見て自分の間違いに気付くと同時に妙にがっかりしたのを

覚えている。無知だった子供時代のちょっと恥ずかしい思い出である。

 

 続いて入学した中学校でも女子の体操服はブルマーであった。学年色が採用

されていて緑・青・エンジの3色あった。体育祭などで3学年が一堂に会すると

カラフルだったのを覚えている。

 

 近年ネット上ではブルマーをエロアイテムやアダルトジャンルとして扱っている

事がとても多い。それ故に運営側の規制の対象になったりもする。確かにシャツを

捲って腹を見せたり足を広げたりわざとらしいポーズをしているのは論外で、そう

いうのは私も嫌いである。しかしブルマー自体は学校で採用していた事から分かる

通り本来は真面目で健全な服装であった筈である。私にとっては青春時代の郷愁を

感じる懐かしい物でもある。それがアダルトグッズの様に、また昭和の黒歴史の様に

扱われている現状はとても残念である。