朝食は讃岐うどん

 

 翌朝は5時半にホテルを出発した。列車に乗る前にうどん店で朝食を食べた。

高松に来たからには讃岐うどんを食べずには済まない。駅のそばのうどん店、味庄。

こんな早朝にもかかわらず次々に客がやって来る。かけの小にとり天をのせて350円

だった。讃岐うどんらしいコシの強い麺。味は勿論美味しい。うどんの出汁は関東の

黒い物よりも関西の透明な物の方が断然好きである。

 

 

鳴門公園と渦潮

 

 徳島の手前の池谷で鳴門線に乗り換え、10時40分鳴門着。バスに乗り継ぎ終点の

鳴門公園に到着した。周辺には鳴門海峡が見渡せる展望台が幾つかある。お茶園

展望台は橋の南側で順光、千畳敷展望台は北側なので逆光になる。対岸は淡路島

である。折角なので岬の先端の孫崎灯台まで行ってみた。この辺りは坂道と階段

ばかりなので疲れた。

 

 

 

 鳴門の渦潮は何時でも見られる訳ではない。渦が現れる時間は潮の干満によって

毎日変わる。今日は14時頃が満潮で、その前後が観察に適しているらしい。時間を

調整して渦の道に入場した。ここは鳴門大橋の下の段(瀬戸大橋のように鉄道を通す

設計になっている)に遊歩道があって、渦潮を真上から見られる施設である。

床板に隙間があったり、ガラスの透明な床があったり、高所恐怖症の人にはスリル

がある。

 

 下を見下ろせば、満潮より前なので北に向かって轟々と潮が流れている。陸地

寄りの流れていない海水との摩擦なのだろう、尋常ではない音を立てて泡立って

いる。暫くじっと見つめていると、泡立つ海面がくるっと渦を巻く瞬間がある。

渦潮というのはこういう物か、と思った。洗濯機の中のようにぐるぐる回る渦が

出来ると思い込んでいた。あのような渦は余程条件に恵まれた場合だけで、滅多に

無いのだろう。

 

 

 

キハ47で徳島へ

 

 バスで鳴門駅まで戻る。鳴門から徳島まで乗ったのは、キハ40と47の2両編成

だった。徳島に残るキハ40・47は高徳線高松までの2往復と鳴門線を中心に朝夕の

運用に限られていて、乗るのはなかなか難しい。私は予め運用を調べてこの列車に

合わせて今日の日程を組んだ。車内は国鉄以来のボックスシートが並ぶ。私にとって

鉄道旅行の原点のような座席であるが、近年は出くわすことがめっきり減った。

 

 

 

 今日の宿は徳島駅から徒歩10分程のビジネスホテル。こういうホテルには珍しく

和室と大浴場がある。和室を予約した。素泊まり5000円。旅先ではビジネスホテル

のシングルを利用することが大半だが、やはり和室の方が寛げる。一人でも割増しに

ならず和室に泊まれるのは有難い。但し窓の外は隣の建物の壁だった。

 

 例によってスーパーに行ってきた。その後すぐに風呂に入る。風呂は食事前に

入る主義である。夕食を食べてから風呂、というのは私には理解できない。

 折角大浴場があるホテルなのだが、他人と一緒に入浴するのが苦手なのでどう

しようか迷った。ちょっと様子を見に行ったところ誰もいなかったので、これ幸いと

すばやく入浴した。夕食を済ませたら早めに寝る。明日も早朝にチェックアウトの

予定である。