夜の東京駅から出発
20時過ぎの東京駅。丸の内側の赤レンガ駅舎がライトアップされている。背後の
新しいビルの窓明かりとあいまって夜景が綺麗である。今日はこれから夜行列車で
出発する。改札を通る前に頭上を見上げれば、復元されたドームが見える。
サンライズ瀬戸に乗車
21時25分頃、9番線にサンライズ瀬戸・サンライズ出雲が入線してきた。
今日の宿はサンライズ瀬戸の5号車、ごろんとシートである。1人当たり1畳程の
カーペット敷きの空間で、毛布も用意されてある。横になって寝られる作りだが
座席車扱いなので特急券だけで利用でき、格安で一晩を過ごせる。
21時50分、定刻に発車した。ほぼ満席である。すぐに寝ては勿体ないので、
缶チューハイを飲みながら車窓を眺めて久しぶりの夜行列車の雰囲気を楽しむ。
熱海を出たあたりで寝る準備をする。毛布はあるが枕は無い。枕カバーのような
布があるが、これはどう使うのだろう。私は持ち合わせのペットボトル2本を件の
布でくるみ枕代わりにした。
もともと夜行列車が好きで、はくつるや北斗星、銀河、あさかぜをはじめ様々な
夜行列車を利用した。寝台車ばかりではなくムーンライトながら、えちご他の
座席車にも乗った。眠れない時はぼんやりと車窓を眺めたり考え事をしたり、
無為に過ごす時間が好きだった。
ところがやがて夜行列車の廃止が相次ぎ、残るはサンライズ瀬戸・出雲の1往復
だけになってしまった。サンライズにしても登場からだいぶ経過している。
今のところ廃止の話は出ていないが、後継車両についての話も聞かない。まだ
暫くは大丈夫だと思うが、285系電車の寿命が尽きるとともに日本の夜行列車の
歴史に終止符が打たれるかもしれない。そうならなければいいと心底から思う。
欧州では夜行列車が再評価されて、いったん廃止になった列車が復活している。
日本でも見習ってほしいものである。
列車は順調に運行されて翌朝6時27分に岡山に到着した。ここで下車する。
今夜は高松のホテルを予約しているけれど、岡山観光をして夕刻高松入りする予定
である。岡山ではサンライズ瀬戸と出雲が切り離され、それぞれ高松と出雲市に
向けて発車する。切り離し作業を眺めてから改札を出た。