先日、ぐるっとパスを使って古代オリエント博物館に行ってきた。
古代オリエントと言っても分かりにくいが、今のイラン・イラク・シリア・
エジプト辺りを指し、その出土品を中心に展示されている。
ひときわ目立っているのはハンムラビ法典。歴史の授業で誰でも知っている、
「目には目を、歯には歯を」で有名なアレである。実物が2メートル以上もある
こんなに大きい石碑だとは知らなかった。表面に楔形文字がびっしりと刻まれて
いる。もちろんレプリカで、実物はパリのルーブル美術館が所蔵している。
ロゼッタストーン。エジプトで発見され、ヒエログリフが解読されるきっかけに
なった石碑である。これもレプリカで、実物はロンドンの大英博物館が所蔵して
いる。
中東の3Pと呼ばれる、有名な世界遺産が3つある。イランのペルセポリス、
シリアのパルミラ、ヨルダンのペトラ。パルミラの遺跡は近年まで保存状態が良好
だったが、シリア内戦で破壊されてしまった。その遺跡のかつての姿の模型が
あった。
中東・古代オリエントは世界で最初に文明が発達した先進的な地域であったのに、
現在はドバイなどは別として内戦やイスラム教の戒律の厳しさなどいろいろ大変な
地域になったしまったものだ、と思う。ずっと前に図書館で地球の歩き方シリア編
を手に取ってみた事がある。それほど治安に問題がある様子では無い記述だった。
だが今は言わずもがな。沢木耕太郎氏の「深夜特急」でもインドからパキスタン、
アフガニスタン、イランを通ってトルコに抜けているが、そういうコースで旅が
出来る時代はもう戻って来ないのかもしれない。