期間限定で発売される北総線の1日乗車券を使って印旛日本医大に行ってきた。

 

 都営浅草線を利用すると、印旛日本医大という行先の列車をよく見かける。

私は千葉県北西部に住んでいるので何度か降りた事があるが、北総線沿線に縁が

無い限り、高砂の先の方という程度の認識で降りた事など無い人が大半だろう。

ましてや運賃が高い事で知られる北総線のこと、気軽にちょっと行ってみるには

ハードルが高いと思われる。今回はそんな謎の終着駅、印旛日本医大を紹介する。

 

 新鎌ヶ谷で1日乗車券を買い、印旛日本医大行に乗る。20分足らずで終点に

着いた。19.6キロ。普通運賃は620円もするが、これでも去年値下げされている。

1日乗車券は1000円なので、往復するだけで元が取れる。

 

 駅舎は円形の高い屋根と時計台の様な塔が組み合わされた洒落た作りである。

駅の周囲には大きな集合住宅が1棟と東横インが目立つ。他には駐在所(交番では

無い!)があるだけで、スーパーはおろかコンビニ一軒見当たらない。ほとんど

人の姿が無いが今日は5月5日、ゴールデンウィーク真っ最中である。

 

 

 

 駅前の道路を渡ると大きな公園がある。周囲は戸建住宅が立ち並び、中学校も

ある。折しも校内から生徒がぞろぞろと出て来てすれ違う。閑静で住環境は良好

なのだろうが、この子達は一体どこで遊ぶのだろうと思う。北総線に2駅乗れば

千葉ニュータウン中央で、駅前に大きなイオンモールがあり、フードコートや

ゲームセンター、映画館など色々揃っている。ただし運賃は片道380円かかる。

 大人にしても通勤定期を支給される身分の人はいいとしても、そうでない人、

特に定年退職後などは大変だろう。都心まで行って来るだけで2000円以上である。

私はこういう所に生まれなくて良かったと心底思う。

 

 ニュータウンは、駅前の商業エリアに大きなショッピングモールなどがあり、

そのテナントもほとんどがチェーン店ばかり。そこを過ぎると集合住宅や、

あるいはよく似た戸建が整列している場合が多い。住宅エリアに入ると自販機一つ

無かったりする。こういう町並みは、画一的かつ清潔過ぎてつまらない。

 街という物は、個性的な店があったり時には怪しげな人がいたり、ある程度

雑然としているくらいで丁度いいと私は思う。

 

 公園に入る。遊歩道に沿って一周した。つつじが終わりかけている。モミジが

ある。今は青々としているが秋には綺麗に色付くのだろう。奥には池があるが

水辺には近づけない。公園を一周する間、二人しか人と出会わなかった。

 

 

 

 

 駅に戻って来た。円形の屋根の下はドーム状になっていて洒落た意匠である。

時計塔の上は展望台になっているらしいが、通常は上がれない。私も上がった事が

無い。周囲の街並みに比べて随分凝った駅舎だが、無駄にお金を掛けすぎな気が

しないでも無い。今日はこれで帰る事にした。