『かばん』2017年5月号 | うしじまひろこの絵本ダナ

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絵本・童話・詩、ときどきニャンコ。

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illustration :カシワイ


5月31日です。
今月は少しゆっくりして、短歌のことを考えていました。
幸せな1ヶ月だったな。





今号に出詠させていただいた歌たちです。





                 島の彼岸



帰るなら凪のときにしたらいい  そう言う義母はいつも凪のよう



ヒューゥルル  とんびは朝を告げにくる布団の中の夫と我に



海沿いを国道三号線(さんごうせん)と呼び義父は自転車とばす魚をのせて



島の子が義父をたずねてやって来る「やっさん  やっさん  つれたよ  みてみて」



墓参り  線香の束を持ち義父は島の土葬の歴史を語る



船上は知り合いばかり島の彼岸  夫の恩師は従姉の夫




死んだら、島のお墓に入る。
死んでやっと、私は島の人になる。
そよそよ風に吹かれて、海をながめながら今世のことを思い返したりする。
来世は、もっといい歌つくれるようになるかなぁと思ったりする。
たぶんね。