前回お話したように、今後は国家資格や公的資格だけでなく民間資格もご紹介しようと思います。
民間資格はもちろん有用な、そして難易度の高い資格もありますが、また「何に使うかよくわかんない資格」が多いのも事実です。
そんな使いどころのわからない資格を知ることもかえっておもしろいかも知れませんね。
今回は予告していた通りに「猫健康管理士」についてご紹介させていただきます。
「猫健康管理士」以外に、猫に関係する資格はおおよそ6つくらいあります。
箇条書きでご紹介すると―
①キャットケアスペシャリスト&キャトシッター
②キャットフレンドリーパーソン
③キャット・グルーミング・スペシャリスト
④動物衛生看護師
⑤愛玩動物飼養管理士
⑥認定動物看護師
この内④~⑥は動物病院のスタッフで実際に働いている方もおられるくらい有力な資格なのですが、全て民間資格です。
そのため良い意味では潰しがききますが、悪い意味では「給与が安かったり雇用が安定しません」。
ただ、この内「認定動物看護師」は2022年から「愛玩動物看護師」として国家資格に変わる予定です。
現状では動物に対する医療の国家資格は「獣医師」しかなかったため、やっと動物医療の世界にも光が当たるという感じですね。
①~③は猫のみに焦点を当てた民間資格です。
「猫健康管理士」もそうですが、基本的に「受講して試験を受ければ取れる資格」です。
その受講も通信講座で、送られてきたテキストを基に自学自習します。
勉強して疑問に思ったことはメールで問い合わせることができ、その質問はテキストを監修している獣医師さんにも届くので「実質、獣医師さんに質問できる」という所は魅力的です。
主催する協会は認めていないようですが、認定試験は自宅で受けられるので「テキストを見ながらのカンニング」も可能リラックして受験できます。
合格率は95%とほぼ全ての方が合格できているので、難易度が低いというより最早ないようなものです。
かと言ってこの資格は無用の長物かというとそうではなく、特に猫をペットとして飼っている家庭ではとても役に立つ資格です。
畜産系の動物ならまだしも、ペットに関する医療はほとんど動物病院にかかりきりというのが実情でしょう。
しかし動物は人間と違って異常を示すサインを出すのが苦手だったり、隠したり、あるいは目立たないので、気づいたら手遅れだったということがよくあります。
そのためペットの異常は「できる限り早く気づくこと」が重要ですが、なかなか難しいものです。
そんな猫ちゃんを常日頃からどのようなところに気を付け、どうやって健康を維持・管理していくのかがわかる資格が「猫健康管理士」です。
「猫健康管理士」は以下のようなカリキュラムで猫を学ぶことができます。
猫の原産国・歴史・性格
猫の基礎生態学
猫の行動学
グルーミングの必要性と手順
猫の遺伝学
猫のワクチンと伝染病
猫の飼養管理
試験もこれらに準じた内容が出題されるようです。
特に猫飼いなら理解っていただけると思いますが、実は猫ちゃんの健康管理をする上でもっとも大切なのは「グルーミング」です。
全身をグルーミングすることは、毛並みに異常がないか、触って痛がる場所がないか、膨らんでいる・へこんでいる部分はないか、など、猫ちゃんが気持ちいい上にさっと健康状態を測ることもできる万能の方法です。
しかしこれにも手順が合ったり、そもそも猫ちゃんが懐いてくれないとグルーミングすらできなかったりするので、その周辺のことも「猫健康管理士」では学ぶことができます。
そして「猫健康管理士」の通信講座は「テキストが充実」しているようで、一般の書店で売っている猫のテキストよりもより細かく網羅された書籍のようです。
一部のテキストは動物専門学校で採用されているなど、より専門性の高いものとなっています。
「猫健康管理士」は民間資格の中でも難易度が極端に低く、就職や転職で有利にはなりません。
しかし飼っている猫ちゃんの健康のことを考えれば「資格を取得するの悪くはない」と思えます。
ただ、デメリットももちろんあります。
先述の通り、この資格を取得したからといって「年収アップ」「好待遇の職場へ」という訳にはいきません。
しかしこの通信講座は受講費が60000円かかります。
その他に認定証5500円、資格取得者証明書11000円もかかります。
資格を維持するための更新費などは一切かからないというのは何とか救いの所ですが、お金がかかるだけかかって増える見込みはありません。
普通、資格を取るのは就職や転職や年収アップするためです。
資格を取るのに「お金がかかるなら……」と考える人には全く向いていません。
しかし資格は猫ちゃんとの生活、ひいては「よりよい生活に向けて取るもの」だと考えられる人には、十分にオススメできる資格だと思います。
もちろんお金は大切ですが、資格は必ずしもお金に直結するものではないのです。
直結するとすればそれは「生活」のためであって、生活はお金と密接しますがイコールではありません。
「充実した生活」を資格で補うことができるなら、これ以上のことはないのです。
なお、通信講座はキャンペーンで受講料が半額になったりする時期もあるようなので、そこはお調べになってください。
以上のように、今回はじめて民間資格をご紹介させていただきました。
「猫健康管理士」は受講して試験(カンニングすらできちゃう)を受けるだけで取得できる簡単な資格ですが、今後は国家資格よりも難しい民間資格などもご紹介させていただきたいと思います。
また何度もしつこいですが、資格取得というのはお金以上に「充実した生活」を手に入れる手段です。
必ずしも高収入や好待遇を得られる資格が偉い訳ではありません。
大切なのは、資格を取得して「何がしたいか」ではないでしょうか。
その点「猫健康管理士」は目的がはっきりしていてよい資格です。
まとめ!
「猫健康管理士」は民間資格!
猫の健康管理について学べるぞ!
通信講座と試験はチョー簡単!
テキストは学校で使われたりするもので良書!
獣医師さんに直接質問できるぞ!
受講費は高いけど、高いと思うかはあなた次第!
猫ちゃんの健康管理に取得してみては!
おわり