ここのところ、ブログの更新が滞ってしまって申し訳ありません。
ネタに困った・・・と言うわけでもありませんが、今回はちょっと変わった視点で行きたいと思います。

●ブログキーワードビジュアライザー

最近、私が数年前から考えていたことに近い、こんなビジュアルを見せてくれるサービスを発見したのだ。
 http://bkv.so-net.ne.jp/

ヴィジュアライザー


いや実に面白い。そう、まさにこんな感じだ!
さて、なぜこんな話をしたのか?、その背景について少々お付き合い願えないだろうか。


●量ではなく質を扱う調査、定性調査とは?

マーケティングリサーチには、よく「グルイン」と略して言われる「フォーカスグループインタビュー」や、「デプスインタビュー」と言った「定性調査」なるものがある。「フォーカスグループインタビュー」を例にとって説明すると、大体6~7名の人に集まって頂き、あるテーマに沿って司会の進行に従い、自由に意見を言ってもらう座談会という感じのものだ。

何%といった数字を扱う「定量調査」の対になるもので、より本音や直感的な情報を集めるのに重宝する手法である。さて、私もこの定性調査の司会(モデレーター)をやることがあるのだが、その際ふとあることに気がつくことがある。

人のモノの考え方、発想の仕方は、どうにもあまり論理的ではないのだ。
そう、その人の過去の経験や、思いこみ、ブランドイメージなどがミックスされ、強く連想されるものが口から出てくるように感じるのだ。


●人の発想の仕方

守秘義務があってあまり具体的なことは書けないが、例えばこんな感じだ。

オリンピック-中国-パンダ-損保ジャパンだ-上戸彩

細かい行程をみればまだ納得は行くが、この行程が中抜きになることもあるので、「オリンピック-パンダ」となったりして、理解に苦しむこともある。

これが「オリンピック-上戸彩」になった日には、オリンピックと言えばスポーツ、スポーツといえばオロナミンC??オロナミンCのCMは韓国のヨン様に会いに行ったんじゃなかったっけ?などと、本当にわけがわけが分からなくなってしまうのだ。

実際問題、脳の中で物事の結びつきが強化されると、こういった一見突飛に思える連想が出てくるものだ。

人はそんなに論理的で整理された思考ではなく、こういった連想で思考をしているというのはほぼ間違いがなく、リサーチャーやマーケターを日々惑わせてくれるわけだ。


●連想しているのであれば・・・

そこで、発想を逆転してしまえばいいわけだ。人の頭は脳神経細胞のネットワークでできているのだから、連想を利用し、思いついたように図示化すれば、自然な思考の整理・明確化ができるのではないだろうか・・・

このあたりは推測も含まれるが、マインドマップの開発者「トニー・ブザン氏」はきっとそんな考えだったに違いない。近頃割と有名になってきた、思考の整理、目標達成の用いられるツール、それが「マインドマップ」である。

http://www.mindmap.ne.jp/seminar/group/42/



こうやって人の頭や自分の頭の中を覗いてみると、思考は実に自由奔放であり、なかなか論理的に整理するのが難しいことが分かってくる。

逆に言うと、「そうつながっているのか・・・!」といった発見や、「一見つながりが理解できないものが、なぜつながったのか?」という観点で見てみると、いろいろ気づきがあると思われる。

マーケターやリサーチャーは、比較的論理的な思考をしがちであるが、世の中の多くの人はそんなに論理的ではない・・・そう気がつくだけでも大きな収穫があるように思える。むしろ、「自分でも理由が分からないが、ついやってしまう謎の行動」の方が研究しがいがあるテーマに思えてならない。

牛堂雅文

●松屋 割り箸を廃止

最近、外食チェーン店でお馴染み「松屋」に行ったところ、箸がいつもと何か違うことに気が付いたのだ・・・。

松屋の箸
あっ、割り箸じゃない!プラスチック箸だ!
どうやらプラスチック箸に変わったのは割と最近の話のようだ。

●割り箸論争

・割り箸は間伐材から作っているから環境に悪くない
、それに箸を洗う洗剤や水のこともあわせてトータルで考えろ
・そんなことはない、輸入したものが多いらしいし、木を伐採して使い捨てているのに環境にいいはずがない

もう何年になるだろうか、上記2つの議論が真っ向から対立する割り箸論争が繰り広げられており、一般人としては、どちらも正解に思えてなんとも困った論争だったわけだ。結局どうすればいいのかと・・・。


●松屋のプレスリリース

松屋の見解はこうだった。
「現在の割り箸は輸入に頼っており、環境に配慮はされていないので、割り箸の使用は止める。」ということらしい。

-----引 用-----------------
○環境に優しいお箸導入のお知らせ 松屋
http://fastfood.blog83.fc2.com/blog-entry-1576.html

国内産割り箸は、間伐材(人工林管理の際に必ず発生)や端材(半端な木材)など、利用価値が乏しい木材から作っています。いわば廃物利用であり、間伐材が購入されることで林業に貢献し、森林保全に協力するものでもあります。

しかし、現在主流の輸入割り箸は自然林を伐採して作られることが多く、これが環境に配慮していないという批判の元になっているようです。

松屋は割り箸を使用しないという手段を選択しました。
ですが、他にも国内産割り箸を使用するという選択肢も存在しますので、割り箸使用イコール環境に配慮していないとは限りません。

-----ここまで----------------


●割り箸を使わないメリットとデメリットの考察

さて、ここからがこのブログの本領発揮!
中国の食品安全問題に揺れる今、松屋はいいタイミングで、時代を味方につける選択をしたと思えてならないのだ。企業の姿勢を表明することで、外食チェーン店という、およそ健康や環境に配慮していないと思われがちな産業であえて姿勢を打ち出したわけだ。中々いい判断をしたといってよい。

しかし、物事にはメリット/デメリット双方があるので、そう手放しで喜んでもいられないだろう

【メリット】
・ものが箸だけに、割り箸でないことに誰でも気がつきやすい
・環境意識の高い外食産業というイメージの形成
・割り箸調達コスト上昇という変動要素からの脱却 (実はしばらく前から原料費が高騰していた)

【デメリット】
・「箸を洗う」という新たなオペレーションの発生で現場への負担が増える
・同様に、傷んだ箸を選別して捨て、入れ替えるといったオペレーション増加
・「人と箸を共有する」という客側の抵抗感がある

こうやって整理すると、割り箸使用禁止のメリットである「CSR的な環境問題への姿勢を示す」より、
むしろデメリットである「現場での効率の悪化」や、「抵抗感から集客へのマイナスの効果」の方が大きな影響力を持ちそうに思えてならない。
特にこういったチェーン店では、一般的に店員の定着率は低く、現場への負担増は実は大きな問題とも捉えられないだろうか?


●本当の課題は・・・「インターナルブランディング」

しかし、現場への負担が増えるようなことなら、環境にいいことを推進すべきではないのだろうか?
そう、本当に解決すべき問題点はそこである。単純に解決できる問題ではないが、モチベーションを落とさず、むしろ意味のあることだと納得してもらえることがキーとなるのではないだろうか?

◇具体的には・・・
 ・経営トップが考えている、「我が社のありたい姿」を誠心誠意伝え、現場の理解を得る
 ・その上で、多少でも現場の負担を減らす方策をセットで提案する
 ・さらに、この施策がどれだけ意味があるかを情報発信し続ける

そう、企業内部へのブランド発信「インターナルブランディング」が重要になってくるはずだ。
ただルールを増やされたり、負担を増やされると現場はたまったものではない。それをいかに緩和したり、意味づけてモチベーションをダウンさせないか、むしろやりようによってはモチベーションをアップすることも可能となるはずだ。何のためにやっているか?それがクリアーになるとならないでは大違いなのだ。

その変更、その新ルール、そして企業としての方針の、本当の意味・意図をどれだけ従業員に理解してもらえているのか・・・。これはどの企業にも当てはまる課題であろう。


【ピーリングって?】

男性のみなさん、「ピーリング」という言葉をご存じだろうか?
女性には割と認知度が上がってきたに違いない・・・。それはスキンケアの一つ「角質ケア」のことだ。

「コエンザイムQ10」、「ヒアルロン酸」、「オバジ」(http://www.obagi.co.jp/ )等の登場で盛り上がりを見せるスキンケア市場だが、その中でも比較的新参の部類に入る「ピーリング製品」がスキンケアコーナーに増えてきているのだ。

ものは試し、早速一つ買ってきた。どちらかというと、水のようなさらさらのタイプの方が一般的かもしれない。

ピーリング2

個人的にピーリング製品に触れたきっかけは、以前リゾート研修施設のような所の大浴場にサンプルが置いてあったので試しに使ってみたことだった。ボロボロと古い角質のような ものが取れ、肌がよみがえり、すこぶるいい感じになるではないか!
ちょうどスキンケアに関心が高まっていた頃なので、かなり魅力的・・・それこそ魔法ではないか と感じたものだった。

参考までにこんな説明になっているようだ。

●シーズ・ラボ ピーリングとは・・・
http://www.ci-z.com/salon/peeling/
-----以下抜粋--------------
老化した古い角質を脱いで、肌本来の輝きと美しさを取り戻す、それが『ピーリング』です。
肌表面に蓄積された古い角質層は、くすみや肌荒れ、シミや小じわなど、さまざまな肌トラブルの原因になります。ピーリングは、厚く積み重なった古い角質をきれいに剥離し、肌本来の再生力を高めて、生まれたてのみずみずしい肌へと導く、最先端のメディカルスキンケアです。 
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【ピーリング製品の強み】


さて、このスキンケア市場の新参者「ピーリング製品」であるが、なぜそこまで盛り上がりを見せているのだろうか?

1.スキンケア市場自体の盛り上がり
もともと美容や健康への関心は高かったところに、「コエンザイムQ10」以降、「
アスタキサンチン」「ヒアルロン酸」などという、効果の実感できるような機能性のある化粧水(ローション)が現れたのだ。その影響もあってスキンケアだけでコーナーが作れるほどの商品展開されているようだ。

2.効果が分かりやすく、納得感がある
その効果を実感し魅力に取り憑かれたところに、古い角質がポロポロ取れるという、これまた分かりやすく、使い甲斐のある「ピーリング製品」が登場したのだ。使うと体感できるのだが、古い角質が取れる感覚は最高だ。
(全部古い角質ではなく、「ポロポロ」には製品の成分も結構含まれている気がするが、その辺は演出ということでまあ問題ないだろう。)

3.天然成分で作られた製品が多く、安心感あり
偽装や中国産食品問題で揺れた2007年(今年もですね・・・)故に、一層肌につけるものにも安心感が求められ、天然素材の製品も多かったことはプラスに働いたのではないだろうか。


【男性スキンケア市場】

さて、そろそろ男性市場に目を向けてみよう。男性スキンケア市場は数年前に「SHISEIDO MEN」も登場するなど、脚光を浴び、徐々に男性でもスキンケア意識が高まりつつあるようだ。


●msn 産経ニュース


 「男も美肌!! 男性用スキンケア製品市場が熱い!」
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071019/biz0710192025010-n1.htm

-----以下抜粋--------------
ロート製薬は「OXY(オキシー)」ブランドで男性用化粧品市場に昨年3月進出し、昨年度は21億円と、当初目標の2倍を売り上げた。ヒット商品と なった「パーフェクトクリアパッド」(55枚入り、参考価格924円)は、直径約5センチの円形不織布に化粧水をしみこませた。古い角質を柔かくしながら ふき取る新たなコンセプト。毛穴の汚れやくすみ対策など、女性の美肌意識が若い男性にも広がっていることを裏付けた。 猛暑も手伝い、今年2~8月の男性用制汗剤・スキンケア市場は前年比38%増の約65億円に成長(ロート製薬調べ)。
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すでに、ロート製薬「OXY」から、ピーリング(角質ケア)の製品が発売され、好調だというではないか。
これは、順風満帆!・・・と思えるが、そうそう甘くないと思った方がいいであろう。


【女性市場との違いと、男性への普及策は?】

男性と女性のスキンケアには、実は大きな違いが存在している・・・それは、「化粧をするか、しないか」の差だ。つまり、ピーリングの大きなベネフィットの一つである、化粧のノリ・・・なんてものは男性にはとんと無縁なのである。さらに化粧落としもないので、クレンジングとピーリングを兼ねた製品も全く無意味になってしまうのだ。

しかし、その差があっても、男性で本当にスキンケアニーズが高まっているのであれば、決して乗り越えられないハードルではないだろう。なんといっても、ピーリングは効果が分かりやすく、使ってしまえばその効果感で魅力が伝わるという素晴らしい製品なのだ。となれば、「どういう使い方提案をすればいいか?」がクリアーすべき課題になる。

「OXY」は、「男性には汗拭きシートが比較的普及している」という点に目をつけ、抵抗感の少ない使用スタイルに持ち込んだものと思われる。中々着眼点がよい。
http://mensstyle.seesaa.net/article/19072797.html

まだ、成功例といえる事例は少ないかもしれないが、ある市場で当たったものを持って、違う市場に乗り込んでいく場合、こういったハードルをいかにクリアーし、使用への抵抗感を減じていくかが大きなポイントとなるだろう。

次の一手は・・・、男性にはお馴染みの「スクラブ洗顔料」との掛け合わせだろうか?まあ男性は毎日ゴシゴシやりそうなので、ピーリングしすぎの問題が起こらないような配慮が必要そうではある。

とにかく今後が楽しみな市場である。


牛堂雅文

●∞(無限)プチプチとは・・・

最近は大人向けの視点を変えたおもちゃが多く、おもちゃ売り場を見るのは結構楽しいものだ。
バンダイの「リトルジャマー」などは、見ているだけで本当にワクワクしてしまう。
http://livehour.jp/

さて、そういった流れの中で、昨年発売され多少話題にもなった∞(無限)プチプチを遅まきながら買ってみた。
これは、バンダイが昨年発売した梱包材でお馴染みの「プチプチ」を再現したおもちゃであり、つぶれたままではないため、無限にプチプチつぶしが楽しめる一品だ。

∞ぷちぷち

このおもちゃは、非常に画期的であり、驚くべきことにゲーム性はほとんどゼロ。ただプチプチの触感と音を再現し、ずっと押していられるというすごい製品だ。実際にプチプチ押していると結構楽しいではないか!
さらに100回に一個の割合で変な音が出るようになっており、そのことがいいエッセンスになっている。

以下関連webサイトをいくつかピックアップしてみた。

・バンダイ
 http://www.asovision.com/putiputi/
・ITメディア 開発者インタビュー
 http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0706/22/news072.html
・BCNランキング 製品の内部など詳細な記事
 http://bcnranking.jp/news/0710/071005_8580.html


何がすごいかというと、普段の人のちょっとした行動に着目している点だ。
つまり、なんだかやってしまう「プチプチつぶし」という行為に着目し、それを再現したという点である。
人の行動・生活を観察するリサーチ手法である「エスノグラフ」の発想に近いのではないだろうか。

どうやら売れ行きも好調で、100万個は昨年の時点で既に超えているらしい。


●現状分析・課題

さてこの商品、画期的で面白いことは確かなのだが、実は欠点を持っているのだ。それはシンプルさと裏腹の関係にあるのだが、「変化に乏しく、飽きやすい」という点だ。失速は思いの外早いのではないだろうか?

また、人と交換したり、対戦したり、コミュニケーションするという要素に乏しく、人からの影響で購入が喚起されたり、利用が活性化されたりしにくい、という点も実にもったいない。

【課題】
 ・シンプルすぎて飽きるのも早い
 ・人とのコミュニケーション要素が少なく、既存ユーザーからの影響での市場活性化がしにくい。

●今後の展開

当然、そのあたりには既に気が付いているのか、既にカラーバリエーション展開がなされ、ツンデレなど萌えバージョン「ぷち萌え」の発売も3月に予定されているらしい。(最近はバリエーションといえば「萌え」なのだろうか?)
http://akiba.kakaku.com/etc/0801/16/220000.php

ただし、これらの目先を変え新鮮みを出す手法は、短期的には多少効果があっても、長期的な需要創出につなげるにはやや弱いように思えるのだ。なぜなら、カラーなどバリエーションの意味は、「みんな同じものを持っている状況を回避し、個性を打ち出せる」ことにあり、現在ではそのレベルまで普及していないように思えるからだ。今をときめくiPodも、初期は1種類・1色しかなかったことを思い出して欲しい。

そこで、考えられる次の展開を列挙してみる。

【1】使用シーンの見直し

今は普段携帯し、暇つぶし的に遊ぶ道具といえる。そこで、「暇つぶしベネフィット」に着目し、普段持ち歩かない人にも使ってもらうことはできないだろうか?
一例を挙げると、フードコートで呼び出しベルと一緒に渡し、料理ができるまでの待ち時間解消といった用途はあり得ないだろうか?(BtoB的展開というのも考えられない方法ではない。) 

【2】使い方提案

100回に1回出る変な音でロシアンルーレットをする、などあらたな使い方提案である。人とのコミュニケーションにつながる要素があると素晴らしい。

【3】製品の改良

極めて王道であるといえるが、同時に手間暇コストを考えると判断が難しい選択肢ともいえる。「押した回数が記録でき、万歩計のように記録できる。音がカスタマイズできる。押した回数で進化する要素をもうける。」など、手の打ち用はあるのではないだろうか。

ただし、費用やスケジュール・効果など、色々な要素を考えた上での選択が必要となろう。



実際に次にどういった対策が打たれるのか分からないが、こうやって「自分が担当者だったら次の一手をどうするか?」を考えることは、マーケティング力養成につながるものと思われるため、ぜひ題材を見つけトライアルされてはいかがだろうか。

【秋田のヒーロー】

年明けに会社の後輩がお土産(お菓子)を買ってきたのだ。それは戦隊もののキャラようであり、しかし、何かがおかしい感じもする。大体この魚っぽい武器はなんだ??

アラゲ丸

地方・地元回帰の流れがある昨今、最近は地元に密着したヒーローが存在するらしいのだ。場所は秋田、その名は「超神ネイガー」。このパッケージに出ている「アラゲ丸」は主人公ネイガーではないが、とにかく正義の味方のようだ。

●超神ネイガー 
http://homepage1.nifty.com/nexus/neiger/

---- 以下HPより抜粋 ----

日本海沿岸に広く伝わる来訪神「ナモミハギ 」 の伝承をモチーフとした、秋田発のオリジナル・ヒーローです。ナモミハギは大晦日や小正月に山から里へ下りてきて、人々の怠惰を諌め、来たる年に祝福を与 えていく歳神(としがみ)様です。全国でも秋田県男鹿市の「ナマハゲ」は有名で、荒々しい振る舞いと大きな音で邪気を祓います。


 ネイガーの名前の由来は、『泣ぐ子(ご)は居ねがぁ!』『悪り子(ご)は居ねがぁ!』というナモミハギの叫び声から。秋田の正義と平和を愛する主人公、アキタ・ケン(秋田県在住・農業)は、悪の組合長セヤミコギ率いるホジナシ怪人たちと日夜戦いつづけるのです。

 負けるなネイガー!がんばれ秋田! _というわけで、超神ネイガーは、現在誠意活動中です。応援のほど、どうぞよろしく。

---- 抜粋ここまで ----

なんでも、秋田の方言がふんだんに使用され、秋田県民にはかなりツボにはまる作品らしいのだ。大体主人公の職業が農業という時点でかなりイケているではないか。制作サイドもノリノリのようで、ネイガーの装備も結構本格的である。

Youtubeもリンクしておこう。
・超神ネイガー 「豪石!超神ネイガー ~見だがおめだぢ~」
http://www.youtube.com/watch?v=bmtj6ncaX-Y


【ご当地キャラクター】

ネイガー以外にもご当地キャラといったものが存在しており、戦隊ものから、キャラクターから探してみると様々なものがあるようだ。

・紀の國戦隊 紀州レンジャー(和歌山の戦隊ものキャラクター)
 http://www.kishu-ranger.jp/
・やおいちゃん(京都 
御薗橋801商店街のイメージキャラクター
 http://www.kics.gr.jp/kita/801office/
・GO太くん (五稜郭タワーのキャラクター)
 http://www.goryokaku-tower.co.jp/html/related/gota.html


【ネイガーマッピング】
 
さて、いつものようにネイガーのポジションを確認してみよう。

ネイガーマッピング

今回軸としては、縦軸に「商業利用度」、横軸に「地元エンジョイ度」を用いてみた。
商業利用度でいうと、商店街の活性化に役立ったかどうか大いに疑問符のある「やおいちゃん」以外は、多少なりとも商業利用はなされていると言えよう。
「ネイガー」はローソンの提供らしく、ストーリー中でもネイガーの情報収集源はローソンで客同士の会話を聞くことのようだ。もちろん、お菓子を始めネイガーグッズも豊富にあるらしい。

次に問題となるのが横軸であり、地元をほとんど巻き込んでいる感じがしない「ご当地キティ」に対して、地元での受けが良い、というか地元がノリノリなのが「超神ネイガー」だ。
基本的に方言・地名などをユーモアに使っており、地元の人にしか受けない細かいギャグも満載らしい。大体ネイガーというネーミングからしてそうだ。


【ご当地キャラクターのあり方】

愛・地球博の「モリゾー・キッコロ」のように一過性のキャラクターはまあいいとして、それ以外はできるだけ長く親しまれ、地元で盛り上がり、地域活性化に役立つことが望ましいはずだ。
そうなると、地元の人に親しまれ、地域色を出すことができ、さらに外部にもインパクトのあるキャラクターが理想的といえるだろう。

・・・となると、ちょっとしたセリフや服装などわずかなところに地元の方がニンマリとするような仕掛けをしたり、地元の協賛を取り付け、地元のイベントに出没するなど、みんなで盛り上げるように持って行けるかがポイントとなろう。

もちろん、口コミ発生のためには今私がブログで書いているように、一度見たら人に話したくなるくらいの面白さ、インパクトはあって欲しいものだ。
(名古屋でいう・・・ナナちゃん位のインパクトは期待したい。)
http://www.e-meitetsu.com/mds/ladies/f_nana/index.html

●かなり久々の更新となります。
ここをごらん頂いたみなさん、長らく休んでしまって申し訳ありませんでした。
年も明けたことですし、ぼちぼち再始動しますので、どうか今後もご贔屓にして頂ければ幸いです。

●では、休んでいた間の話を少々・・・。

私は趣味も仕事もどちらも楽しむことをモットーとしており、プライベートの方で密かに特訓をしていました。そう、初心者ながら趣味としている管楽器です。
12月末にその発表会があり、そのためカラオケボックスに一人こもって練習していたのですが、それだけに集中して練習していると案外「気づき」がありました。

のどの使い方や、リズムの取り方など、いままで実にヘタッピだった部分も「あれ?」「こうすれば良かったのか・・」と気が付く瞬間があります。

ひたすら特訓し、学生のような勢いでやっていたおかげでちょっと視野が広がったのかもしれません。社会人になるとどうしても色々あわただしく、一つのものに集中しきれないのですが、あえて一時的に外界の情報を制限し、深く考えトライアルするステップも重要だな・・・。そう感じた年末年始でした。

もちろん、情報をシャットアウトしたままだと社会で生きている意味がなくなりますし、なによりマーケティング関係の人間が社会で起きていることを全く知らないのは大問題なので、一時的に・・・という制限付きですが、たまにはそういう環境もいいものだと思えました。

では、ブログ再開にご期待下さい。
みなさんの再訪をお待ちしています。

【世界に、未来に、ニュースです、東京モーターショー】

先日、閉幕まであと少しとなった第40回東京モーターショーに夕方駆け込みで行ってきた。
展示してある車自体や、華やかなコンパニオンのレポートはweb上のあちこちでなされていると思われるため、案外見のがされがちなブースそのものに着目し、各社がどういったイメージ演出・主張をしているか見ていこう。

【プジョー】
東京モーターショー1

上は、個人的にひいきにしているプジョーである。手前の308も要注目だが、背景の壁にご注目頂きたい。「207 デザインは速度より早い」などと各車のキャッチコピーのようなものが書かれているのだ。さりげなく主張がある。
ブースは白と明るいウッド調で、親しみやすく、そして市販車自体に乗ることもできる。ひと言フレンドリーといえる。


【メルセデス・ベンツ】

東京モーターショー2
うって変わってメルセデス・ベンツは派手一色。ラスベガスのカジノにでも来たのかと思ってしまうブースの作りだ。上も十分派手なのだが、なんと床には毛の長い絨毯がひかれているではないか。なんともベンツっぽい。

【クライスラー/Jeep】
東京モーターショー3
クライスラーはブランドごとに強い主張があった。まずはジープ、Jeepの字の下からは水が滝のように降り注ぎ、アウトドア感、清涼感満載だ。

【クライスラー/ダッジ】
東京モーターショー4
同じクライスラーでも、ダッジは見ての通りアクが強い。全身タトゥーの女性の絵はインパクトありすぎである。

【フェラーリ】
東京モーターショー6
イタリアの跳ね馬、フェラーリは警戒厳重、ガラス張りであと一歩近づけないのだ。まさに手が出ません。


【ロータス】
東京モーターショー7
高級スポーツ路線でも、ロータスは全く感じが異なる。これはロータスヨーロッパという680万円位のスポーツカーだが、このフレンドリーさは一体なんだ?そんなじろじろ見てもいいのだろうか?いや、むしろ「ありがとう」と言いたい。


【東京モーターショーのマッピング】

では、お馴染みマッピングといってみよう。
東京モーターショーマッピング

今回は「明るい・清潔感」-「暗い・濃い・インパクト強い」と、「フレンドリー」-「高級感」
の2軸で切ってみた。


「明るく、清潔感」があり、「フレンドリー」なのは、「プジョー」「シトロエン」であり、フランス車はそういったところがさすがにうまい。もちろん国産メーカーも大体同じ路線だが、
「207 デザインは速度より早い」なんてさりげなく言えてしまうのは、大したものだ。

また、値段の割に妙にフレンドリーなロータスも面白い。変に着飾って嫌われるのではなく、知名度がさほど高くないこともあるので、この場で知って、近づいて、親しみを持ってもらいたいのだろう。

一方、
「暗い・濃い・インパクト強い」に走る「ダッジ」も非常に面白い。ニッチだからできることなのかもしれないが、広くみんなに受けることを狙わず、敢えてとんがらせた
ことが注目される。取りあえず目に付くことは間違いない。

それをややマイルドにし、高級感を上乗せした「メルセデス・ベンツ」も面白い。ハデ好きな人がユーザーであると開き直り、どうせモーターショーなんだから、きらびやかにい行こうという発想なのだろう。


【ブースの作りにもブランドの主張】

店舗の作りにもその企業の姿勢が見えるように、ブースの作り方からも、ブランドの姿勢が伺われる。激しいところや、イメージ先行のところ、親しみで攻めるところなど、千差万別だ。

特に外車や高級車では、ディーラーにはおいそれと近づきにくいが、こういった展示会などの機会を利用して接近し、車そのもの以外からの情報発信も感じ取ってみてはいかがだろうか。



【きものセレクトショップ『しゃら』】

ふとパルコを歩いていたら、着物がディスプレイされていた。着物か・・・キモノ?キモノだって??そうだ、今や夏の定番となった浴衣ではなく、着物がディスプレイされていたのだ。

しゃら

どうやらパルコに、きものセレクトショップ『しゃら』が出店したらしいのだ。
http://www.shara-kimono.jp/

「きものはきっと、もっと、楽しい」というのがコンセプトというかメッセージになっており、若い世代にも気軽に着られる価格、柄のきものを販売しているようだ。(「ようだ」といったのは男性一人で店に入る度胸がなく、webで調べたからだ。直接店に入れず誠に残念である。)

そういえば、着物が見直されているのはうすうす気になっていた現象であり、2004年創刊の「七緒」という雑誌も出版されている。
http://www.president.co.jp/nanaoh/index.html


【『しゃら』のポジショニング】

では、いつものように『しゃら』のポジショニングを分析してみよう。

しゃらポジショニング

今回は私の分かる範囲が狭いため、やや例が偏ってしまっているが、古き良きものを見直そうという動きのあるものとした。分析に使った軸は、「日本らしさ-レトロさ」 「現代風にアレンジ-伝統を維持」の2軸である。

『しゃら』は日本らしさを持ちながら、そのままの伝統を押しつけるのではなく、若い女性にも楽しめるように現代風のきものを提案しているところが秀逸であると思われる。

一方、下に行って「日本らしさ」と「伝統を維持」しつつ、じわじわと人気が出てきているのが沖縄の楽器「三線」だ。三味線のご先祖様らしいのだが、フィレットもなく3本の弦で全てを演奏してしまうものであり、昔のままを維持しているのだ。楽器という性質上そうそう変えにくい面もあるだろう。

また、「日本らしさ」と似て異なるものが、「レトロさ」であり、大正、明治、昭和初期などの西洋文化の影響を受けた建築物や、道具などがこれに当たる。具体的には北九州にある門司港は最近「門司港レトロ」を名乗り、昔の建造物を修復しており街中にレトロな建物があふれているのだ。ただ、完全に当時のままの建築もあるが、どちらかというと近代的である建築も多く、現代風となっている。


門司港駅

「機械式時計」も、ほとんど時間の狂わない電波時計がある今だからこそ、職人が作った精密な機械の味わいを日常で堪能できる、レトロな道具であるといえる。

人力車もレトロさの情緒満載である。
傍目には昔と変わらぬ伝統重視にみえるが、多少は現代的な要素もあるのだろうか?


【きものブーム】

きものセレクトショップ『しゃら』をはじめ、きもの復活を感じさせる動きが見られているわけだが、その流れをまとめた文章を発見した。

G-Serch ”sideB”
  http://db.g-search.or.jp/sideb/column/20070927.h

和装業界が需要低迷の打開策として、若年層にもきものを着てもらおうという動きを起こし、1988年頃から施策が打ち始められたようだ。そこからすぐに復活したわけではなく、業績低迷にあえぎながらも浴衣ブームなどで理解される土壌が少しづつ、できてきたようだ。

そして、上記記事から抜粋であるが、2000年位から流れが変わり始めたようである。

----以下抜粋---------
2000年、京都の呉服店の倒産が相次ぐ中、大手百貨店の伊勢丹は、その年一年間の傾向を決めるという新春の一階のフロア中心に、着物を採択した。同年秋、結婚式のサービスにも和風の波が押し寄せ、和装式の各種サービスが充実した。

2004年の和装関連の売上高は前年比20%の伸びを見せた。すっかり定番となった浴衣以外にも、着物柄のTシャツやバッグ、傘などの小物の人気も高いという。
-----------------

一朝一夕には行かないだろうが、こうした努力とバブル崩壊後の価値観の変化により、長い道のりを経てとうとう「きもの」はセレクトショップという形態でパルコに出店するに至ったのだろう。

そろそろ着物を着た素敵な女性を、あちこちで見かける日も近いのかもしれない。

牛堂雅文

【サイレントマウス】

サイレントマウス、キーボードなるものをご存じだろうか?文字通り操作音が静かなマウスとキーボードのことだ。「だから何だ?」と思われた方もいらっしゃるかもしれない。いやいや、これが実に素晴らしいのだ。

サイレントマウス

パソコンはその進化の過程でずいぶんとうるさくなり、部屋の中で随一の騒音源となってしまった。(ペンティアム4が犯人だという説もあるが・・・。)その後性能ではなく、ユーザーベネフィットにも気が配られるようになり、徐々に静音化もすすんできた。すると相対的に騒音源になってしまったのが、マウスとキーボードの操作音なのだ。

昼間の忙しいオフィスでは気にならないものだが、静かな場所で「カチャカチャ」とやられると案外気になってしまうものだ。私も静かな環境で使うことがあるのだが、マウスのクリック音というのが案外バカにならないということに気がついてしまった。(「そんなことはない」という方はぜひ図書館でパソコンを使ってみて頂きたい。)

そこで早速静かなマウスを探したのだが、これが意外と見あたらない・・・というよりむしろよく分からないのだ。マウスには「どのくらいうるさいか」なんて記述もされていない。

そうはいっても何か手はあるんじゃないか?とWebで検索したところ、「サンコーレアものショップ」というところで「サイレントマウス2」なるものを発見してしまった。
http://www.thanko.jp/
http://www.thanko.jp/silent_mouse2/

すぐに取り寄せて使ってみると、これがなかなか優れもので、本当にほとんどクリックなどの操作音がしないのだ。


【サイレントキーボード】

また、サンコーレアものショップではやはり音が静かな「サイレントキーボード」なるものも取り扱っている。「キーボードは実際に触った感触が大事だ!」というのがモットーなので、「サイレントキーボード」をヨドバシカメラで触ってきたところ、こちらはキータッチが重くてなじめなかった。残念・・・・。

そこで、置いてあるキーボードをいじり倒して、かわりにエレコムの「ギアドライブ」とかいう仕組みのキーボードを買ってきた。(我ながら勢いが付くと行動力があるな…)
http://www2.elecom.co.jp/pickup/geardrive/

ギアドライブ

ギアを使っているという仕組みが新しいらしいが、軽快に操作ができ、なおかつ音がかなり静かであるのが素晴らしい。これも「サイレントキーボード」として考えて良いだろう。

ギアドアイブ2

(しかし、エレコムはずいぶんコピーがおとなしいので、ギアドライブだということは分かったが、静音タイプだとは触るまで気が付かなかった。もう少しメリットをハッキリ書いてもいいのではなかろうか?)


【サイレントマウス/キーボードのポジショニング】

では、近頃の新しい商品を交えて、「サイレントマウス/キーボード」のポジショニングを考えてみよう。

サイレントマウスポジショニング


分析軸には、「一部に強いニーズ-多くの人のニーズ」、「視点を変えた進化-通常の進化」を用いた。

まず、「サイレントマウス/キーボード」は、前回紹介した「用途別カイロ」と同様に、一部の人のニーズかもしれないが、あると嬉しい、使用シーンを考えると確実にニーズがある、今までなぜ気が付かなかったのか?といった視点・着眼点の素晴らしさを感じる商品である。

次におなじく「視点を変えた進化」でも、「多くの人のニーズ」を捕らえたのが、「ニンテンドーDSの脳トレ・学習ソフト」や、「ビリーズブートキャンプ」だ。本当はみんなこの領域を狙いたいのではなかろうか?ここは当たればすごい。

ただ、当然ここはちょっとした気づきではなく、確信がないと攻められないだろうし、競合にも参入されやすいので、当初競合不在の「ブルーオーシャン」であっても「レッドオーシャン」になりかねない危険性をはらんでいる。

一方、「通常の進化」の方向性では、「液晶TV」「コンパクトデジカメ」「一眼レフデジカメ」「スマートフォン」など、まさに価格・性能・ブランドでガチンコ対決の様相を呈する、競合必至の市場・「レッドオーシャン」状態である。ちょっと気を抜けば蹴落とされそうな厳しい市場だ。


【視点を変え、ニッチ市場で戦う】

さて、この「サイレントマウス」を売っている「サンコーレアものショップ」に注目して頂きたい。http://www.thanko.jp/

よくみるとかなりユニークな商品が取りそろえられているのだ。「USBラジオ」、「パソコンで頭皮の状態を見るカメラ」、「USBネクタイクーラー」なんだかすごい…サイレントマウスなんてかわいく思えてきた。

しかしこれらの商品、キワモノっぽさ全開ではあるが、実に視点が面白い。パソコン周りで「あると便利だけど、今までなかった・・・」といったちょっとしたことに気が付く鋭さを持っているように思える。

もちろんこれらは一部の者のニーズを満たすのみであり、NEC、ソニー、東芝といった大企業では参入しても採算が取れるはずもない。そんな小さな市場も、中小企業ならそれなりにおいしい市場であったりする。

1000人に1人のニーズを満たす、ポテンシャルが日本人全体の0.1%といった製品であっても、今はインターネットがあるので、その人に知ってもらい、買ってもらえる手段があるわけだ。(もちろんSEO対策などは行うとしての話だが。)

日常に感じる「ちょっとこんなことができると嬉しいんだけれど・・・」そんなところにビジネスチャンスがあると考え、色々と想像を働かせてみると、まだまだいい発見があるのかもしれない。

牛堂雅文


【寒い季節にカイロでほっかほか】

ここのところ寒い日も増えてきたが、みなさんはいかがお過ごしだろうか?
私は先日風邪を引いてしまった。そうなってくると体を温めるグッズに目がいくものだ。

コンビニではなく、久しぶりにスーパーでカイロを見てみると、その多彩さに目を見張った。手に巻くカイロ、足用のカイロ、首と背中に巻くカイロ、更に塗るカイロまであり、用途別に色々なカイロが存在する

首肩用

上の写真は私が買ってきた、背中を温めてくれるホッカイロだ。

スチーム足湯

さらに「スチーム足湯」という、こんな商品まで存在するのだ。

確かにいままでカイロを張る場所は案外限定され、「肩に張る」「足に張る」なんて芸当は試したことがなかった。
今までのカイロと根本的に異なるものではないのだろうが、その目の付け所、その切り口の新しさには恐れ入ってしまった。そう、既存商品を新しい切り口で見直すことによって、新しい需要を創出したといって良いだろう。


【用途別カイロのポジショニング】

今回は、「既存商品・サービスを新しい切り口によって需要を喚起した」ものでポジショニングを見てみよう。

カイロポジショニング

マッピングには、「ジャンルの定番度-新しさ」「トライアルのしやすさ-大幅な変更・投資が必要」の2軸を用いた。
また、商品・サービスは、技術的にとんでもないブレークスルーがあったとは思えないが、新しい切り口によって近年話題になったものとした。

「用途別カイロ」は、大きな進歩がなかったと思われる定番商品において、新規の試みとしては比較的トライアルしやすい、低リスク型。まさに着眼点、視点の良さが生きた好事例であると言って良いだろう。

次に対極にある、「任天堂DS(正確にはニンテンドーDS)」は、性能競争に陥っていたゲーム業界に「直感的なタッチ操作」「大人向けソフト」といった全く新しい切り口をもたらしたという点が画期的である。同時に投資も大きく、ジャンルとしても比較的新しいため、比較的高リスク高リターン型ともいえるだろう。

泳いでいるペンギンを水槽の下から見られるといった、工夫満載の「旭山動物園」はジャンルこそ定番だが、かなりの設備投資が必要であったことは想像に難くない。
http://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/


オシャレでポップ、かつ履き心地の良さも評価が高いサンダル「クロックス」も、「オシャレでポップなファッション」という要素だけならさほど驚くに値しないが、実用性も兼ね備えた上でサンダルでそういったトライアルをしたことが注目されるため、やや新しいジャンルとしてみた。
http://www.crocs.co.jp/


【定番市場も、新しい視点】

そのジャンル自体が定番・日常商品化(コモデティ化)している場合、どうしても過当競争的になり、安売り競争・シェア争いといった不毛な競争環境になっていくことが多い。

企業にとっては、体力・利益を削っての戦いであり、現場で奔走する従業員にとってもあまり良い状態とは言えないだろう。それを回避し、他社との競争から抜け出し、企業利益を確保できること、それが理想の戦略といえる。


【ブルーオーシャン戦略】

そこで近年注目されるのが、「ブルーオーシャン戦略」に代表される、「新しい切り口によって市場を創造しよう」という発想である。

さほど「ブルーオーシャン戦略」に詳しいわけではないのだが、「減らす」「取り除く」「増やす」「付け加える」といった再定義の考え方は非常に示唆が多いように思われる。何でもつければいい、高機能、フルスペックがいいという発想では、気が付けば競合との果てなき競争にはまってしまうだろう。

・任天堂「Wii」を生んだ「ブルー・オーシャン戦略」とは?http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070425/123630/


【白元 商品企画インタビュー】


最後に面白いものを発見した。「BIGLOBE仕事」にあった白元で商品企画を行う保坂氏のインタビューだ。

「グループインタビューで発見があった」といった、リサーチャーにグッと来る本当にありがたいコメントも含め、
「アイデアの源は、机上より街に」といった実務者ならではの意見が見られ、マーケ担当者必見ではないだろうか。

・市場にこれまでにない価値観や切り口を生み出したい/株式会社白元http://career.biglobe.ne.jp/useful/interview18_4.html


「書を捨て街に出よ」とまでは言わないが、私を含めマーケティング関係者は「理論ばかり、会社の都合ばかりで、頭でっかちになっていないか?」そういった疑問を持って、日々仕事に取り組むよう心がけたいものだ。では、ちょっと街に出てみようか。

牛堂雅文