オルニチン・シトルリン・アルギニンは、体内で相互に変換されつつ作用するため、その働き・効能について混ざり合って紹介されていることが多い。
ここでは、この3つのアミノ酸の働きを、分かっている範囲で整理してみる。

オルニチン・シトルリン・アルギニンの働きは、以下の4つにまとめることができる。

1.アンモニア分解
2.血管の拡張
3.成長ホルモンの分泌促進
4.細胞分裂・再生


1.アンモニア分解
オルニチン:◎
シトルリン:○
アルギニン:○

◆仕組み
体内で発生したアンモニアは肝細胞のミトコンドリアへ運ばれ、そこでオルニチンに捉えられてシトルリンに変換される。このシトルリンはミトコンドリアから細胞基質へ移動し、そこでアルギニンに変換後、さらにオルニチンと尿素に変換される。オルニチンは再びミトコンドリアへ移動して循環するが、尿素は腎臓へ送られて尿として排出される。この一連の回路にて、アンモニアは体外へ排出されることになる。


体内のアンモニアは代謝・食物の消化などによって発生し、処理されないままだと代謝活動の阻害要素となる。オルニチン回路を活性化させることにより、体内のアンモニア濃度が低下し、基礎的な代謝活動が効率化される。
オルニチン回路はオルニチン・シトルリン・アルギニンの循環により機能しているが、上記の通りアンモニアを捉えるのはオルニチンであることから、アンモニア分解にはオルニチンの摂取が最も効果的と考えられる。
なお、多くの体内代謝に関わる亜鉛はこの反応にも関わっており、亜鉛の摂取はオルニチン回路の活性化に寄与する。

◆効果
TCA回路によるエネルギー創出・糖新生によるグリコーゲン創出という、生体の基礎的な代謝の能力を向上させる。効果として疲労回復が言われることが多いが、エネルギー創出全般を改善するもののため、疲れにくい体を作る効果、というべきである。
また、体内のアンモニア濃度が低くなることにより、加齢臭など体臭、および日中の顔や肌のベトつきが防止される。
なお、オルニチン回路の生成物である尿素によって肌の保湿効果が高まるという記載を見ることがあるが、オルニチン回路で生まれる尿素の中に、尿として排出されずに再利用される部分があるのかどうかは不明。


2.血管の拡張
オルニチン:-
シトルリン:◎
アルギニン:○

◆仕組み
血管内皮細胞に送られたシトルリンとアルギニンは、酵素作用によって相互に変換し合う。このとき、アルギニンがシトルリンに変換される際にNO(一酸化窒素)が排出され、そのNOが血管を拡張する。
アルギニン・シトルリンいずれでも同じ効果と考えられるが、サプリメントとして摂取する場合、代謝の影響を受けずに血管細胞まで到達できるシトルリンが有効と思われる。
なお、オルニチンは肝臓内ではシトルリンに変換されるが、その中に全身の血管細胞へ伝播される部分があるのかどうか不明。おそらくほとんど寄与しないものと思われる。

◆効果
全身の血行が改善する。
全身の血行の改善は、冷え・むくみの防止、美肌、育毛、性機能向上などのほか、動脈硬化の予防など多くの循環器系の健康効果を生む。


3.成長ホルモンの分泌促進
オルニチン:○
シトルリン:△
アルギニン:○

◆仕組み
不明。
ただしオルニチンの摂取、アルギニンの摂取ともに、成長ホルモンの分泌を促すという実験レポートがある。シトルリンに関しては不明だが、オルニチンとの関係から、無効果ということはないと思われる。

◆効果
成長ホルモンの分泌は新陳代謝全般のトリガーである。
結果として、筋力強化、美肌・育毛・性機能向上などのアンチエイジング、ダイエット、免疫力の向上、記憶・集中力の改善など、広範な効果を生ずる。


4.細胞分裂・再生

オルニチン:-
シトルリン:△
アルギニン:○

◆仕組み
不明。
ただしケガ・創傷の治療にアルギニンは有効とされており、またアルギニンはその細胞再生能力から筋力トレーニングと合わせて摂取されることも多い。ただし、この効果を発生させるためには相当量(1日あたり約10g)のアルギニンが必要とされる。
肝臓内でのみ機能するオルニチンはおそらく寄与しない。
シトルリンに関しては不明だが、アルギニンとの関係から、無効果ということはないと思われる。(むしろ経口摂取に向かないアルギニンの代替として有効である可能性もあるが、そういった報告はない模様)

◆効果
細胞分裂・再生は肉体の新陳代謝そのものである。
筋力強化、および美肌・育毛などのアンチエイジングに効果を生ずる。

 

 

 

 

以上の通り、オルニチン・シトルリン・アルギニンはそれぞれが複数の効果を持ちながら相互に補強・代替し合う関係にあるため、オルニチン・シトルリン・アルギニンを同時に、それぞれを適量に摂取することは、安全かつ効果的な摂取方法であるといえる。


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